04/23/2006

おすすめ漫画:谷仮面

谷仮面(1)

谷仮面

作:柴田ヨクサル

●この作品の特徴●
「常に仮面をつけた谷君という高校生を主人公とした漫画」「漫画的な強さのバトルが面白い」「谷くんと島さんの変なラブコメが面白い」「柴田ヨクサルならではの独特の展開・キャラクターは慣れてくると結構クセになります。」
 

「エアマスター」で柴田ヨクサル漫画の魅力にはまった自分は、エアマスターよりも前に連載されていたこの作品にも手を出してみました。
ワイド版1巻を読み始めて、最初の方(というか1巻の巻末あたりまで)は、「正直これはちょっと期待外れだったかなぁ……」と感じました。
この作者の絵はエアマスターでもわりと荒れた感じですが、それより前の連載であるこの作品では、もっと変な絵となっており、また序盤の方は仮面をつけた谷くん(主人公)の「少しおかしい」日常が短編形式で描かれており、自分的にはいまいちのめりこめませんでした。
(絵は子供向け小説のクセのある挿絵みたいな感じ。現在発売されてるワイド版のカバー絵は今の柴田ヨクサル絵で、実際の漫画の絵とはずいぶん異なります。)

でも1巻巻末の方の地蔵を抱いたエピソードあたりから「ちょっと面白いかな?」と感じはじめ、2巻、3巻と読んでいくうちに、どんどんとこの非常にクセのあるキャラクター達および作風にはまっていってる自分に気づいたのでした。
(絵柄に慣れた事や、個性的なキャラクターが増えていった事、エピソードが1話短編形式でなく連続ストーリーに変化していったのが原因だと思いますが。)
「あばたもえくぼ」ではないけど、作風に慣れてくると、この変な絵が逆に味になってきたりも。

主人公の谷くんは見た目とは裏腹に、ものすごいパワーの持ち主です。
普通の体形をしているのに、激情にまかせて素手でコンクリートを軽がると破壊したりします。
バトルが多いこの漫画では、そういう『漫画的な強さ』が面白さにつながっており、またこの作者ならではの「子供が考えたような展開や敵達(ほめ言葉)」で、その面白さにますます拍車をかけているように思います。

そういった独特の面白さのバトルとともに楽しめるのが、谷くんが想いを寄せる同級生・『島さん』との恋愛ラブコメ。
といっても、作者が作者なんで、当然普通の恋愛ラブコメじゃありません。
『変な、でも読んでて面白い恋愛ラブコメ』が楽しめます。
 
最後らへんなんか恋愛とバトルがごちゃまぜになっており、両方の面白さが同時に楽しめて、なんとも面白かったです。

エアマスターを読んでた自分としては、シズナマンや皆口由紀(といってもエアマスターの彼女とはだいぶ雰囲気が異なりますが)が登場するのもポイントが高かったですね。

絵および作風にアクがあり、あう人・あわない人の差がはげしいと思いますが、機会があったら試しに是非一度読んでみてください。
あう人にはめちゃくちゃ面白い漫画ですよ。
 

谷仮面(1) 谷仮面(5)完全版 谷仮面(6)完全版 谷仮面(3) 谷仮面(4) 谷仮面(2)

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03/17/2006

おすすめ漫画:あやかし堂のホウライ

あやかし堂のホウライ 3 (3)

あやかし堂のホウライ

著者:金田達也  原案:藤田 和日郎

●この作品の特徴●
「主人公の小学生の女の子、宮前綾香(みやまえ あやか)と少年仙人ホウライ達が妖怪を退治していく話」「いい意味で『うしおととら』ゆずりの熱さがあります。」「3巻で終わった作品なのに、クライマックスの盛り上がりが結構すごかったです。」

●簡単なあらすじ●
主人公の小学生の女の子、宮前綾香(みやまえ あやか)は、両親が失踪してしまったために弟と一緒に親戚の家に預けられてしまいます。
そこではやっかいもののように扱われてしまい、やがて親戚の家を飛び出した姉弟の二人は、「あやかし堂」という骨董屋に辿りつき、そこで住み込みで働く事になります。
あやかし堂のスタッフ達は、実は仙人界で罪を犯した仙人達等であり、人間界で罪を償うためにあやかし堂を拠点として妖怪退治などを行っています。
主人公の綾香は、少年仙人であるホウライと一緒になって妖怪退治をするはめになるのですが・・・。

作品の原案者が「うしおととら」や「からくりサーカス」の藤田 和日郎さんである事や、著者の金田達也さん自身藤田 和日郎さんのアシスタントをされていた事もあり、作品から藤田 和日郎さんの影響がかなり見受けられます。
(妖怪が登場する事や、キャラクター、絵柄などの点などいろいろ。)
でもそういう事を抜きにしても、この漫画は本当に素晴らしい少年漫画となっていると思います。
わずか三巻で終わった作品なのに数々の心に残るエピソード、そして物語のラストシーンは本当に素晴らしいものがあります。

「掲載誌での連載が終了し、3巻が最終巻となるらしい」という事を知ったのはコミックスの1,2巻を購入した少し後の事だったと記憶しています。
2巻まで読んだ時は、「まぁ次の3巻で終わる作品だから、ラストもそれなりの半ば打ち切りっぽい終わり方なんだろうなぁ。」などと思ってましたが、いざ購入した最終巻を読んでみると・・・・やられた、きちんと終わってるどころか、本当に読者の心に深く残るような印象的なラストシーンになっており、最終巻を読み終わった後は、半ば放心状態となってしまいました。
キャラの表情、セリフ、クライマックスの盛り上がりとラストシーンの余韻・・・全てのピースがまるで奇跡のようにうまく噛みあわさっており、激しく心を揺り動かされてしまったのです。
(あまりにも素晴らしい作品を観たり読んだりして心を深~く揺り動かされると、見終わった後に心地よい疲労感というか放心状態になる事ってありませんかね?)

1巻の機械人形ルウゲのエピソードは良かったし、2巻のラストシーンも実に良かった。でも物語の終わりである3巻のラスト部分はそのさらに上を行く良さで、少年漫画の名シーンの一つとして数えられるほどの珠玉のデキとなっていると思いました。
3巻途中から突入する『千年王母』編の異様な盛り上がり様と、1巻、2巻のストーリーをうまく伏線として利用したストーリー展開の妙で、わずか3巻で終了した作品なのに読み終わった後の満足感は異様に高かったです。

この作品は、機会があれば是非一度は読んでみてください。
人によっては、『わずか3巻で終わりと短いながらも、珠玉の少年漫画』として、一生物の宝のように大切に扱われる事でしょう。

参考:「あやかし堂のホウライ」がものすごく良かった
(2巻まで読んだ段階のレビュー)

あやかし堂のホウライ(第1巻) あやかし堂のホウライ(第2巻) あやかし堂のホウライ 3 (3)

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01/12/2006

おすすめ漫画:め組の大吾

め組の大吾 (07)

め組の大吾

著者:曽田正人
ジャンル:レスキューアクション 
 

●この作品の特徴●
「消防官の朝比奈 大吾(あさひな だいご)の活躍と成長を描いた漫画」「ストーリー展開の熱さといい、主人公の大吾のすごさがびんびん伝わってくる事といい、読んでてかなりしびれます。」「無駄なエピソードを入れてだらだらと続ける事もなく、それでいてボリュームはそこそこあり、最終話のしめもきちんとできたため、文句のつけどころのない作品になっています。」

 

 
『め組の大吾』は、めだかヶ浜出張所(め組)に勤務する消防官 朝比奈 大吾(あさひな だいご)の活躍と成長を描いた漫画となっています。

曽田正人さんの描く漫画は読んでて熱くなってくるのが多いですが、この「め組の大吾」も例にもれず、読んでて熱いものが込み上げてきます。

絶望的な災害現場でも、一人の死者も出そうとせず奮闘する大吾。
時々びっくりするような方法できりぬけていく彼の姿はしびれます。
「主人公のすごさ」をいかに読者にチープに感じさせる事なく表現するか、に作者が腐心しているのが伝わってきます。
この漫画を読んでいると、なんか良質のヒーローアクション映画を観てるようなカタルシスを感じさせてくれます。

この作品は少年サンデーで連載している時は毎週毎週楽しみで仕方なかったです。
連載が終了した時は非常に残念でしたが、ただ下手に冗長に続けられてだれたり、いつの間にか人気がなくなって打ち切りとなり、いまいちすっきりしない終わり方をされるよりは良かったと思います。
適度な長さの連載で、終わりもきちっと終われた方が、作品としての完成度は高いと思うし、事実後でコミックを全巻読み返した時もシメ(終わり)の気持ち良さが際立っていました。
  

この漫画は、ストーリー展開の熱さ、主人公のすごさが存分に描かれており、なんか「やる気が出ない」という時に読むと活を入れられる感じの漫画です。

め組の大吾 (10) め組の大吾 (09) め組の大吾 (5) め組の大吾 (6) め組の大吾 (06) め組の大吾 (01)

ちなみに、サンデー名作ミュージアムで第一話が読めます。
興味を持った方は是非どうぞ。
(といっても一話目では「め組の大吾」の『熱さ』はまだ伝わってこないでしょうが。)

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11/22/2005

おすすめ漫画:MOONLIGHTMILE(ムーンライトマイル)

MOON LIGHT MILE 9 (9)

MOONLIGHTMILE
著者:太田垣康男

●この作品の特徴●
「『プラネテス』や『ふたつのスピカ』のような近未来宇宙もの漫画」「真面目に宇宙もの漫画を描きながらも、それでいて説明が小難しくなく、上質な映画を見ているようにエンターテイメント性が高い。」「1巻1巻密度の濃い物語が楽しめ各巻満足度が高い。」「吾郎、ロストマン、耕介など、エピソード毎に主役が変わるが、いずれのキャラも実に個性的、魅力的に描かれています。」「この漫画はNHK-BSなどでアニメ化されれば一気にブレイクすると思います。」

●備考●
若干、性描写がどぎつい部分があります。
(エロイというよりどぎつい)

 

 
宇宙もの漫画としては「プラネテス」「ふたつのスピカ」が最近の作品では有名ですね。
どちらもNHK-BSでアニメ化され、一気にブレイクしたわけですが、それらと同じようにNHK-BSでアニメ化されると一気にブレイクしそうだと思っているのが、この「MOONLIGHT MILE(ムーンライトマイル)」です。

この漫画は本当に面白いです。

次世代のエネルギー源として、月に埋蔵されてるヘリウムを求めて、アポロ計画以来再び月への進出を始める人々を描いた物語となってます。
こう書くとなんかかたっくるしいですが、漫画としてのエンターテイメント性は非常に高いです。
骨太な宇宙もの漫画でありながら、説明などはこ難しくなく、それでいて描写は浅くなく、いい意味でハリウッド映画の上質な宇宙もの映画を観てるような感じとなっています。

各巻ごとに密度は高く、毎巻毎巻見所があり、非常に満足度が高いです。
各エピソードの長さもいい感じで区切りがついていて、読んでて非常に心地よいというか。
また、ドラマが上質なのはもちろん、登場するキャラクター達も実に個性的、魅力的に描かれています。
(吾郎はかなりワイルドだなぁ。)

物語が巻が進む毎にテンポよく進んでいくのも感慨深いです。
読者も一緒になって月面が開拓されていく姿を見てるだけに、8巻で吾郎が昔月面開拓を始めた時に仲間達と住んでいたコンテナに戻ってきたシーンではなんとも言えないものがありました。
 
宇宙ものなのでメカとかマシンも登場するのですが、作画とかデザインが秀逸で、それらを観るだけでも結構楽しめたりします。
(『ガーディアン』とか『ムーン・ウォーカー』がかっこよさすぎる・・・。)

一部性的描写があるので、正直子供には薦めにくいのですが、それをのぞけば、万人にお薦めできる非常に質の高い宇宙もの漫画だと思います。

興味を持たれた方は一度は読んでみる事をおすすめします。
かなりはまりますよ。

Moonlight mile(7) Moonlight mile(9) Moonlight mile(10) Moonlight mile(6) Moonlight mile(8)

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08/10/2005

おすすめ漫画:吼えろペン

吼えろペン(7)

吼えろペン
著者:島本和彦(代表作:炎の転校生・ワンダービット・逆境ナイン 他多数)
 
備考:13巻でひとまず完結。(この後「新 吼えろペン」というのも出てますが)

 

●この作品の特徴●
「漫画家 炎尾燃(ほのお もゆる)やアシスタント達の生態がコミカルに描かれたギャグ漫画」「時に熱い話も」「殺し屋や宇宙人が出てきたりとフィクションの要素が強いが、なんだかフィクションに感じられない話も多い。」「昔の少年漫画風の線の太い作画は賛否が分かれるかも。(ただこの作品にはマッチしてます。)」「キャラクター達の発するセリフに笑ってしまう。(中には納得してしまう格言も)」「『うしおととら』や『からくりサーカス』の藤田和日郎さんが元になった漫画家がライバルとして登場したり。」

 

この作品は、元は91年に同じ作者が出した「燃えよペン(全1巻)」という漫画をリメイクしたものといえます。
「燃えよペン」は、若干フィクション風でありながら漫画家やアシスタントの生態が楽しめる漫画として当時は通の間でそこそこヒットした模様です。
 
「燃えよペン」をベースに、より個性的なアシスタント達・編集者などが登場するようになったのが、この「吼えろペン」です。
  
リメイクものは大抵元のよりパワーダウンしている事が多いのですが、「燃えよペン」が1巻で終わってしまったため作者の方でも全てを出しきれてなかったのか、この「吼えろペン」の方が逆に「燃えよペン」よりも色々な面でパワーアップしているように思います。

 
締め切りに追われる漫画家やアシスタント達の悲惨さはあいかわらず面白いですね。
担当編集者との攻防などは時に熱いものがあります。

殺し屋や宇宙人・妖精などが登場する話もたまにあったりして、全体的にはフィクション要素が強いのですが、中にはフィクションに感じられない話もあったり・・・。
なんだかそのまま描いてしまうと多くの漫画業界関係者を敵にまわしそうなので、フィクション風味にして描いているようにも見受けられる話もあったりします。
 
 
作中では、『うしおととら』や『からくりサーカス』で有名な藤田和日郎さんをベースにした漫画家がたびたび登場したりするのですが、このキャラがわりとブラックな感じで描かれており笑わせてくれます。

 
また、各キャラクター達が発するセリフは笑えるものが多いです。
(中には笑いつつも結構「なるほど」と思わされるものもあったり。)

<セリフ色々> 
「そうなのだ!担当がやる気をなくさせるからといって、やる気のないマンガを描く必要などなかったのだ!」
 
************************** 
 
「うむ、いつ読んでも自分の描いたマンガは最高だ!!」
 
************************** 
 
「いや・・・誰も悪くはないぞ!!悪いのは、安易に仕事を受けるだけ受けてここまでのばしてきた自分だけだ!!・・・・くっ、なんかしらんが涙がこみあげてきやがったぜ。なぜ自分が泣いているのか分析する時間も余裕もないけどな。」 
 
************************** 
 
「一度締め切りをのばしたら、次からはその締め切りにあわせて描くようになる・・・・それがあいつら・・・漫画家なのよ!!」(編集者のセリフ)
 
************************** 
 
「もうマンガ家をやめるか!?今、マンガ家をやめれば寝てもいいんだ!!」
 
**************************

などなど。
あまり書きすぎるとネタばれになってしまうので、ここまでですが。
 

 
昔の少年漫画風の線の太い作画や、人によっては熱くるしく感じてしまう演出もあったりはしますが(逆にこれが良いんですが)、「漫画家って実際どうなの?」というのに興味がある人には(多少フィクション風とはいえ)、是非ともおすすめしたい作品だと思います。

ちなみにこの「吼えろペン」は13巻でひとまず終了となってますが、これで食いたりない人は、前作の「燃えよペン」や「新吼えろペン」にも手を出して見ると良いでしょう。

吼えろペン(6) 吼えろペン(7) 吼えろペン(9) 吼えろペン(10) 吼えろペン(8)

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07/14/2005

おすすめ漫画:うしおととら

うしおととら (13)

うしおととら
著者:藤田和日郎(代表作「うしおととら」「からくりサーカス」)

 
●この作品の特徴●
「少年漫画の良さが存分に盛り込まれたお手本とも言える作品」「日本の妖怪・西洋の化け物などが登場。妖怪や化け物の恐ろしさ・おどろおどろらしさがうまく表現されてます。」「登場するキャラクター達が魅力的。自分はとらが好きです。」「印象に残る名場面が多い。うしおが○○○したシーンの麻子のセリフは良かった・・・。」「クライマックスの盛り上がりがすごい。」

 

主人公の蒼月潮(あおつき うしお)はお寺の住職の息子です。
ある日彼は自分の家にある蔵に地下室がある事を発見し、そこで何百年もの間「獣の槍(けもののやり)」によって壁につなぎとめられていた妖怪「とら」に出会います。
「とら」のあまい言葉によって「うしお」は獣の槍を抜いてしまい、とらをとき放ってしまうのですが・・・・。

タイトルの「うしおととら」は、つまり『「うしお」と「とら」』というわけですが、このタイトルがなんともシンプルでありながら、この作品をうまく表しています。
物語は「うしお」と「とら」、そして「獣の槍」を軸に話が進展していきます。

主人公の「うしお」は最初は平凡な小学生ですが、獣の槍を持っている間はパワーアップし、「とら」とともに人間に害をなす妖怪達を退治していきます。

物語が進んでいくにつれじょじょに明らかになってくる「獣の槍」の正体、「とら」の過去、妖怪達が恐れをなす「白面(はくめん)のもの」など、飽きさせないストーリー展開でぐいぐいと読ませていってくれます。

強く印象に残る名場面がビシバシと登場するのもポイントが高いですね。

この漫画のクライマックスがサンデーで連載されていた頃は、本当に毎週の展開が楽しみで仕方なかったです。

わりと黒っぽい作画は、妖怪達のおどろおどろしさをうまく表現するのにあっているのですが、それでは読んでて暗くなる漫画かというと、登場する人物が気持ちのいいやつらばかりで、読後感はあまり暗くはなりません。
特に主人公の「うしお」のまっすぐさは読んでて気持ちがいいです。

この漫画は少年漫画らしい「まっすぐな心」「人を信じる心」「心身の成長」などがうまく盛り込まれており、少年漫画の良いお手本ともいえる作品となってると思います。

少年漫画としても、妖怪が登場する漫画としても出色のデキの「うしおととら」。

未読の方は是非一度は読んでみる事をおすすめします。

うしおととら(16) うしおととら(14) うしおととら(2) うしおととら(第18巻) うしおととら(8)

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03/26/2005

おすすめ漫画:アクシデンツ 事故調クジラの事件簿

アクシデンツ 1 (1)
アクシデンツ
著者:山田貴敏

●この作品の特徴●
「『Dr.コトー診療所』で大ブレイクした山田貴敏さんが、その昔少年サンデーで連載していた漫画」「主人公の鯨樹(通称:クジラ)は事故調査官として、起きてしまった事故について『何故その事故は起きてしまったか?』、『どうすれば二度とその事故が起きないようにできるか』を調査していきます。」 「随所に山田貴敏さんならではのヒューマンドラマも織り交ぜながら物語は進んでいきます。」

 
 
 
『Dr.コトー診療所」で大ブレイクした山田貴敏さん。
自分は「マッシュ」や「いただきます」の頃から山田貴敏さんの事は知っていましたが、実際に彼の作品にはまったのは、この「アクシデンツ 事故調クジラの事件簿(以後、『アクシデンツ』と省略)」だったりします。

で、「『Dr.コトー診療所」は、「あの『アクシデンツ』の作者さんの最新作かぁ。」という事で買い集め始めたのでした。

『アクシデンツ 』は当時週刊少年サンデーで連載されていました。

主人公の鯨樹 雄(通常:クジラ)は事故調査官として、航空機事故や交通事故、謎の出火など、起きてしまった色々な事故について、その原因や、再発防止のための策を探っていきます。

各エピソードは長編のものもあるのですが、基本的に中編や短編で構成されており、テンポよく読んでいけるようになっています。
(各エピソードの長さは「Dr.コトー」と似ているかも)

事故の原因をさぐる段階では推理物を読んでるような面白さが楽しめ、あいまあいまに登場人物達のヒューマンドラマも楽しめるようになっています。

特に事故の原因や対策については、全部が全部というわけではないですが、実際に起きてる事故とかを防止するのに役立ちそうなものもあったりして、「なるほど~」と思わされるものもあったりします。

クジラは、今は亡き親友の娘の柊(ひいらぎ)という女の子をひきとり、自分の娘のように養っているのですが、体のでかいクジラと、体のちっちゃな柊の対比が結構面白いです。
(↑上記の1巻の画像でクジラが抱きしめてるのが柊)

 
この作品、連載当時はアンケートでは人気がとれなかったのか、結構毎週サンデーの最後の方にばっかり連載されていました。(今でいうD-LIVEの位置)
コミックスを毎回買っていた自分としては残念でしたが、それで作品の面白さがなくなるわけではないし、幸い後ろの方に掲載されていてもサンデーの場合は急に打ち切られるという事はなく、コミックスも12巻まで出て、最後も綺麗な形で終わる事ができたと思います。

最近、「Dr.コトー診療所」のヒットを受け、この「アクシデンツ」も復刻版が出たようです。

小学館のホームページのこちらで第1話目が試し読みできるようになってますので、興味を持たれた方は是非一度ご覧になってみてください。

アクシデンツ(7) アクシデンツ(5) アクシデンツ(8) アクシデンツ(3) アクシデンツ(4)

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03/20/2005

おすすめ漫画:今日から俺は!!

今日から俺は!! (38)

今日から俺は!
著者:西森博之
 
 
 
●この作品の特徴●
「金髪の三橋とウニ頭・伊藤のコンビが繰り広げる不良系ギャグ漫画」「魅力的で笑えるサブキャラクター達。特に今井の馬鹿加減が最高」「ギャグがくどくなく、素直に笑える」「独特の西森節が心地良い」

 
 
2005年現在、少年サンデーで「道士郎でござる」を連載中の西森博之さん。
(「道士郎でござる」の連載は結局終わってしまいました。残念。)
 
「あまく危険なナンパ刑事」→「今日から俺は!!」→「SPINOUT」→「天使な小生意気」→「道士郎でござる」と、異なるキャラクターや設定の漫画を連載してきたけど、どの作品でも共通して独特の「西森節」と言える笑いが楽しめると思います。

この作者の描く漫画は、「ギャグ漫画」といってもくどいギャグではなく、それでいて結構笑えるという、独特の心地良さがあります。

絵自体は書き込みがすごいというわけではないけど、リアル頭身とデフォルメ頭身を使いわけ、メリハリのある表現手法で楽しませてくれます。
 
 
で、この「今日から俺は!!」ですが、この作品の連載を通して件の『西森節』が形づくられ、完成していったと言っても過言ではないと思います。

最初の頃は絵がわりと雑な感じがしますが、数巻してくると絵もこなれてきて物語やギャグに集中できます。
 
 
「今日から俺は!!」は不良を題材としてますが、同系統の不良漫画と比べると描写などがソフトとなっており、万人受けしやすいと思います。
(しかし、「不良」「ヤンキー」「つっぱり」のいずれも死語になりつつあるので、こういうタイプの漫画って何て言えばいいんだろう・・・。)
 
 
面白い漫画の条件の一つに『登場するキャラクター達が魅力的である事』が挙げられますが、この漫画に登場するキャラクター達も魅力的、というか笑えます。
主役の金髪頭の三橋は、ずる賢く、時ににやりとさせられるくらい狡猾なアイデアをひねり出して笑わせてくれます。三橋とコンビを組んでるウニ頭の伊藤は正直者で、一見三橋とは対極のキャラのように感じますが、だからこそコンビとしては相性がいいような気がします。
サブキャラクター達も沢山登場しますが、その中で自分が特に好きなのは、アホ番長今井と、その今井につきそってる谷川ですね。
特に今井は自分は馬鹿でないと思いつつ、狡猾な三橋にいいように騙され続けるのが不憫で笑えます。
三橋に廃ビルに閉じ込められた時のエピソードはおかしすぎて、今でもつい何度も読み返してしまいます。

この漫画は、ギャグ一辺倒でなく、いい塩梅でシリアスなシーンもあり、結構ジーンとさせられるシーンもあったりします。
   
 
今でも根強い人気のある「今日から俺は!!」。
少年サンデーで連載中の「道士郎でござる」を読んで、この作者の独特のセンスにはまった人はもちろん、西森作品自体未読の方にも是非おすすめしたい作品だと思います。

今日から俺は!! (33)今日から俺は!! (24) 今日から俺は!! (15) 今日から俺は!! (35) 今日から俺は!! (28)

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02/24/2005

おすすめ漫画:神聖モテモテ王国

神聖モテモテ王国 1 (1)

神聖モテモテ王国
著者:ながいけん

 
●この作品の特徴●
「思考がかなりアレな宇宙人(?)のファーザーと学生服モテナイ坊主のオンナスキーがモテる事をめざして行動するも、いつもアレなファーザーの言動でその願いは成就されないというお話。」「犬にかまれるファーザー」「大王がしかけた罠にはまるファーザー」「地球に優しいトーマス」「何故か女の子にもてまくりのブタッキー」「なんか何の前触れもなくいきなり少年サンデーでの連載を打ち切られて未完となってるんですけど・・・。」
 
 
 
 

女性にもてる事をめざして変な宇宙人(?)ファーザーとメガネ坊主オンナスキーが奮闘するも、毎回残念な結果に終わるという物語。
ファーザーの言動がかなりアレすぎたり、各キャラのセリフまわしがハイレベルで、かなり笑えます。

大王とかブタッキーとかトーマスとか、少しずつ変なキャラも増えてくるし。

各話8~10ページと短めでテンポ良く読め、コミックス1冊に20話ほど収録されているので、1冊読むだけでも結構満足度が高いと思います。

この漫画は週刊少年サンデーで連載されていたものの、何の前触れもなく突然連載が打ち切られ、その後ヤングサンデーで短期で連載が再開されるも、結局コミックスは6巻でとまったままで、サンデーやヤングサンデーで掲載された一部のエピソードは未だコミックスに未収録のままというのは非常に残念です。
ファンとしては、薄くてもいいので7巻出して欲しいんですがね。

ギャグ漫画は正直一般の漫画以上に"相性"というものがあり、この漫画を自分のように「めちゃくちゃ面白い。」と思う人もいれば、「ちょっとギャグがよくわからない」という人もいると思います。

万人におすすめできるわけではないですが、このギャグがツボにはまる人にとっては一生もんのギャグ漫画になると思うので、一度は試し読みされて見る事をおすすめします。

神聖モテモテ王国 1 (1) 神聖モテモテ王国 2 (2) 神聖モテモテ王国 4 (4) 神聖モテモテ王国 5 (5)

faz

ファーザー。
どっかの星からきた宇宙人らしい。(骨格からして人間と違うし。)
女性にモテる事をめざすも、壊れた言動で毎回残念な結果に終わる。
モテモテ王国建国を画策中。
下半身はパンツ丸だしで、ズボンをはく事を断固拒否する。
犬にかまれたり罠にかかったりしてよく死ぬが、すぐに復活する。
耳のドリルをなでると、ひとりで悦にひたる事ができる。
主食はトンカツ。

onna

オンナスキー。
モテない坊主。
ファーザーの口車に乗せられ毎回モテる事を夢みるも、結果がついてこず。
ファーザーと同居するはめに。
ファーザーがピンチの時は脱兎のごとく逃げ出す。
美人のいとこさんがいるが、ファーザーにはあまりあわせたくない。

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02/04/2005

おすすめ漫画:特攻天女

特攻天女 22 (22)
(高村と、主人公の翔)

特攻天女
著者:みさき速 
完結(全30巻+外伝1巻)

●この作品の特徴●
「キャラクター達がなんとも魅力的」「結構重い話が多いけど、合間合間にはいるキャラクター達の軽妙なやりとりである程度は救われる。(正直救われない話もありますが・・・)」
 
 

主人公の和泉 翔(いずみ しょう)は「夜桜会」の特攻隊長。
「鬼面党」を率いる総長の高村 大(たかむら だい)に一目惚れ(*)されてしまい・・・。
(*実際は微妙に違うけど)
  
 
自分がこの漫画をつい何度も読み返してしまうのは、やっぱりキャラクター達が魅力的であるからだと思います。
掲示板などでも特攻天女のトピックができると、必ずといっていいほど「(一番)好きなキャラは?」って話題が出てきます。
そして、瑞希が好きな人、伊沢が好きな人、遊佐が好きな人、アキラが好きな人・・・・と、人によって好きなキャラは違えど、「登場するキャラがまんべんなく愛されてるなぁ」とつくづく実感します。
 

121

↑主人公の翔は美形には目がないけど、ふられてばかりです。(高村には好かれてるけど・・・)
高村をあしらう様は見ていて微笑ましいです。
曲がった事が嫌いで、そのために傷ついてしまう事もあるけど、自分の身を顧みずに争いを収めるために奮闘します。

91

↑鬼面党の総長でありながら、翔に惚れてしまった高村 大。
翔の前では猫をかぶっているけど、時々見せる凶暴性がなんともぞくぞくとするものがあります。
翔をふった男を半殺しにしてしまったり、翔が別の男(千里)に惚れたと勘違いした時などは、気持ちのぶつけどころがなく、ホテルの部屋の壁という壁をボコボコにし、高村の部屋をのぞきこんだアキラをびっくりさせるというエピソードなどもあったりします。
(そもそも翔とのファーストコンタクトにおいても、伊沢と盗んだバイクで疾走していた時に犬をはねてしまい、その血まみれの犬に対してさらに蹴りを入れるという始末・・・。残虐すぎ・・・。)
でもやっぱり翔の前ではおちゃめだったりと、そのギャップが面白かったり。
自身の残虐さ故に犯してしまった過ちが、やがて彼本人をさいなむ事になるのですが・・・。

111

↑夜桜会の総長であり、翔が慕う天野 瑞希(あまの みずき)。大富豪のお嬢様だけど、子供の頃の事件のために半ば心が壊れてしまい、翔の前では優しい人を演じるものの、ふとした事でその壊れた心を垣間見る事になります。
彼女の過去話は凄惨としか言えません。

101

↑鬼面党親衛隊長の矢野アキラ。自分の正体を隠しながら、高村をサポートする姿は涙ぐましいです。
女装(?)するエピソードはかなり笑わせてもらいました。

31

↑鬼面党の副長であり、高村の右腕の伊沢 吉成(いざわ よしなり)。
寡黙であり冷静沈着。(登場時はわりとそうでもないですが)
自身の恋心を隠したままで○○○を陰ながら支える姿は、「漢」の一言です。
特攻天女のキャラではこの伊沢が自分は一番好きですかね。

81

↑鬼面党の特攻隊長であり、高村の幼馴染の遊佐 明仁(ゆさ あきひと)。
瑞希への恋心があるも、瑞希には想い人がおり、報われません。

上記のキャラクター達をメインとして話が進み、キャラクター達のやり取りだけでも十分楽しめるのですが、それだけでなくストーリーでもぐいぐいと読ませていってくれます。

特にコミックス中盤から始まるエピソードでは、高村・瑞希・遊佐の3人で犯してしまったつぐないきれない過ちを軸に物語が進み、物語終了まで一気に読ませてくれます。

この漫画は週刊少年チャンピオンで6年にわたって連載されましたが、正直長期連載された漫画では綺麗な終わり方をできてない(少年漫画雑誌では人気がある時は連載を途中でやめる事ができず、人気がなくなったら容赦なく打ち切りという事が多いので・・・)という事が多々ありますが、この特攻天女の場合は本当に綺麗に終われたなぁと思います。
最終巻を読み終わった後の読後感の良さはなんともいえないものがあります。
(最終巻のカバーデザインも秀逸です。表紙の○○姿の翔はなんとも感慨深いです。)

魅力的なキャラクター達によって紡がれる物語は、何度読み返しても面白いと思います。

興味を持たれた方は是非どうぞ。

特攻天女 25 (25) 特攻天女 22 (22) 特攻天女 23 (23)

 

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