ジャンプではちょっと前に「フープメン」というバスケの漫画が連載されていました。
当時リアルタイムで全話読んでおり、最近また一話から最終話まで一気に読み返したのですが、漫画を数多く読んできた身としては、「この漫画はもうちょっと連載を続けて様子を見た方が良かったのでは…」という思いで一杯です。
短いながらも、主人公・雄歩(ゆうほ)の成長を丁寧に描いていた地に足のついたスポーツ漫画となっており、早々に打ち切る事なくもうちょっと連載を続けていれば、ジャンプでそれなりの人気を獲得していたのではないでしょうか。
コミックスは2巻で終わってしまいましたが、スポーツ漫画を数多く読んできた人や、目の肥えた漫画読みの人からはこの作品を評価する声も結構見かけます。
打ち切り漫画は90%くらいは「たしかに打ち切りになっても仕方ない」と思える作品が多いのですが、この作品のように「これはもったいないなぁ…」と思わされるのもたまにあったりします。
ちょっと前だと「みえるひと」とか、「P2」とかですかね。
スポーツ漫画の中には初期からきちんと人気を獲得できるものもあれば、内容が良質でも初期は漫画を多く読んできた目の肥えてる人にしか評価されず、3、40話続いてからようやく一般の人もその面白さに気付き人気が出てきた……というケースも少なくありません。
マガジンは現在「ダイヤのA」「エリアの騎士」「スマッシュ」「ベイビーステップ」などなど、良質なスポーツ漫画が多く掲載されています。
「ダイヤのA」と「エリアの騎士」については、連載開始時からそれなりの人気を獲得していたのですが、「スマッシュ」と「ベイビーステップ」については、内容がかなり良いわりには初期は人気が獲得できておらず、雑誌のケツの方に掲載される事もしばしばで、当時は「これ良質なスポーツ漫画なんだから、間違っても打ち切るなよ…」と思いながら読んでたりしました。
ベイビーステップなどはコミックスの1巻や2巻が出た頃に、そのできの良さ・テニス漫画としての面白さが各誌やサイトで紹介され、一気に人気を獲得し、現在はマガジンに掲載されている良質なスポーツ漫画の一翼として地位を確立するに至りました。
「連載が続いてから(作者が成長して)急に面白くなった」というより、「一話目から面白かった」ってのはコミックスを1巻から読んでみれば一目瞭然でしょう。
スポーツ漫画の場合は、このように内容が良くても(初期は)いまいち受けが悪いという事がたまにあったりします。
今後もジャンプではスポーツ漫画の新連載をいくつも投入してくるのでしょうが、「これはしばらく様子を見た方がいい」と思った作品については、例え初期のアンケートでは票を取れなくても、編集部の判断で多少延命させて様子見した方が良いのではないでしょうか。
今の調子で結果を焦りすぎて初期の人気どうこうで早々に切ってしまう事を繰り返すと、育つもんも育たないですよ。
ベイビーステップがもしジャンプで連載されていたら、人気の出なかった初期に早々に打ち切りを食らっていたかもしれません。
スポーツ漫画ではないのですが、三浦建太郎さんのベルセルクも、もしジャンプで連載されていたら初期の人気の出てない2,3巻のあたりで打ち切られ、「三浦建太郎先生の次回作にご期待ください」になってたかもしれません。
あと、現在のアンケートシステムはいい加減改善した方がいいと思います。
伝統なのか知りませんが、「面白かったと思う漫画を上位三つだけ選択してください。」というアホなアンケート方式は、正直読者の意見をきちんと吸い上げてるとは思えないです。
機械で票を収集できるようになった現在は、マークシート方式に変更して、「面白かったと思う漫画を全て選択してください。」という風にした方がより正確な読者評価を入手できるようになると思うんですがね。