映画雑感:海を飛ぶ夢・他
最近観た映画の雑感。
<海を飛ぶ夢>
若い頃に海での事故で首から下が一切身動きできない体となってしまったラモン・サンペドロ。26年間半身不随の状態ですごした彼は、命を断つ決断をし、政府に尊厳死を認めてもらうために裁判を起こすのですが。
実話を元にした本作はアカデミー外国語映画賞を受賞。
主人公のラモンは首から下が動かせないため、基本的に顔だけでの演技となってますが、表情に愛嬌がありひきつけられます。
体は動かせないけど、自由に空を飛ぶ夢を時々見る事ができるという事から、本作の「海を飛ぶ夢」というタイトルが来てますが、作中の空を滑空するシーンをプロジェクターの大画面で観たら、大阪花と緑の博覧会(花博)のフローラドーム(*)の時のような浮遊感が味わえて非常に気持ちよかったです。
(*・・・・ミツバチの視点で空を飛ぶ映像を視界いっぱいの大きさの球形スクリーンで映すというもの。浮遊感がたまらなく気持ちよかった。)
ラモンをとりまく人々は、半ば自身の生活を犠牲にしながらもラモンの世話をしてきたという事もあって、後半のあるシーンではかなり心にくるものがありました。
<のら猫の日記>
両親がいないロー(姉)とマニー(妹)の二人は万引きをしたり、野宿やモデルハウスに勝手に寝泊りしながら各地を転々としています。
姉がある日妊娠してしまうのですが、金のない二人はオフバケーションで人のいない別荘に忍びこみ、そこで赤ちゃんを産むまで泊まり込む事を決意。
二人では心もとないため、助産婦として一人のおばさんを誘拐してしまうのですが・・・。
妹のマニー演じる女の子が、すれてそうで、でもやっぱり子供子供してるのが良かったです。
誘拐されたおばさんが、打ち解けたマニーに自分の若い頃の話をするシーンがあるのですが、最初は違和感を感じた部分も、後になって「そういうことか・・・」とわかった時はちょっと笑ってしまいました。
<フィッシャーキング>
ラジオのDJをしていたジャック(ジェフ・ブリッジス)は自身の失言によって引き起こされた悲劇によって転落の人生を送ります。
さえない暮らしをしていたある日、道で精神を病んだホームレスのヘンリー(ロビン・ウィリアムス)に出会うのですが、実はこのホームレスも元はきちんとした人物だったのですが、とある事件によって精神を病んでしまい、自分を別の人間だと思いこんでしまっているのです。
ジャックはヘンリーの恋を成就させようと奔走する過程で、自身の心の救済も果たしていく事になるのですが。
ふりちん(素っ裸)で踊るロビンウィリアムスもいいけど、本作ではやっぱりジェフ・ブリッジスの演技・表情に引き込まれました。
ラジオのDJをして飛ぶ鳥を落とす勢いだった時は、本当にえらそうで嫌な感じだったのに、自分の失言でその豊かな生活を一瞬で失い、落ちぶれた生活を送ってる時のなんともみじめな感じ。ヘンリーの役に立とうと奔走する真摯な姿に心が打たれます。
彼の演技あってこそ、あのラストシーンがより引き立っているのでしょう。
あと、ヘンリーが恋してる女性の職場で脇役のニューハーフのおっさんが歌を歌いながらメッセージを伝えるシーンがやけに印象に残りました。
<ソイレントグリーン>
お先まっくらな近未来が舞台。
人工増加による食糧難のため、ろくに食料が行き渡らなくなってしまった世界。
国は『ソイレントグリーン』という人工食品を作り出すのですが・・・。
主人公のチャールトンヘストン演じる刑事ソーンが、手に入れた食料(りんごとか野菜とかしょぼいの)を、一緒に住んでるおじいさんと本当に嬉しそうかつ美味そうに食うシーンが印象的でした。
この映画はかなり古い映画で、衝撃のラストシーン(まぁ今となっては衝撃度低いですが)は後の色々な作品に影響を与えた事でしょう。
PSのゼノギアスのとあるシーンも「これが元だったのか」と、映画を観た後で気づかされました。
ソーンと一緒に住んでたおじいさんが人生の終焉にプロジェクターで大画面で地球の美しいシーンを観るシーンは結構印象的でしたね。
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