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03/30/2005

新フォーチュンクエスト10感想

自分がフォーチュンクエストと初めて出会ったのは、「魍魎戦記 魔陀羅 総集編」という雑誌(というか総集編)でした。
この雑誌にフォーチュンクエストの第1話が掲載されていて、雑誌自体はこの1冊で終わったけど、後に角川スニーカー文庫でフォーチュンクエストの1巻と2巻が発売されたのを知って、購入するようになりました。

フォーチュンクエストが初めて買ったファンタジー小説(ロードス島戦記1巻と同時購入だけど・・・)で、この作品のおかげでファンタジー小説にはまるようになったと思います。
以後、異次元騎士カズマシリーズ、アルスラーン戦記、道士リジィオなどを読むようになりました。
(といっても、最近は小説自体めっきり読まなくなりましたけど。異次元騎士カズマの新刊が出たらなぁ・・・・。本当にあのまま未完で終わって欲しくないです・・・。)


で、久しぶりにフォーチュンクエストの新刊「新フォーチュンクエスト10 キットンの決心」が発売。

物語はキットンの妻のスグリを探すための旅に出るといった話です。

正直な感想を言わせてもらうと、最近のフォーチュンクエストでは、どうも「物足りなさ」が目立ちます。

読み終わった時に「あれ?もう終わったの?」って感想がくるんですが、これは「面白いから時間が経つのが短く感じられた。」ではなく、残念ながら「どのエピソードもなんか中途半端で、物足りない」といった感じです。

今巻ではないけど、「まっていたクエスト」では、「エピソード1」「エピソード2」「エピソード3」「エピソードファイナル」の4巻から成りたつエピソードのわりに内容がかなり薄く感じたし、今回の「キットンの決心」の巻では1巻で完結するものの、やっぱり内容が薄いです。

自分は小説の書き手ではないので偉そうな事は言えないと思うけど、なんか最近は内容の取捨選択があまりできてなく、それが内容の薄さにつながっているように感じられます。

今巻ではとあるキャラが久しぶりに登場するも、扱いが中途半端だし、それとは別にギアリンゼイが登場しそうでしなかったりと、中途半端な感じが否めません。

戦闘シーンもなんかとってつけたような感じ。

次巻以降のために伏線をはってるシーンが2箇所ほどありますが、それがいかにも「伏線をはりますよ」的なはりかたで「なんだかなぁ」な気が。

クレイがみんなから本当に大切に思われているシーンはちょっと良かったと思いますが。
 
 
批判するためでなく楽しむために読んでるけど、読み終わった後にちょっとこういう感想が出てきてしまいました。
 

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03/26/2005

おすすめ漫画:アクシデンツ 事故調クジラの事件簿

アクシデンツ 1 (1)
アクシデンツ
著者:山田貴敏

●この作品の特徴●
「『Dr.コトー診療所』で大ブレイクした山田貴敏さんが、その昔少年サンデーで連載していた漫画」「主人公の鯨樹(通称:クジラ)は事故調査官として、起きてしまった事故について『何故その事故は起きてしまったか?』、『どうすれば二度とその事故が起きないようにできるか』を調査していきます。」 「随所に山田貴敏さんならではのヒューマンドラマも織り交ぜながら物語は進んでいきます。」

 
 
 
『Dr.コトー診療所」で大ブレイクした山田貴敏さん。
自分は「マッシュ」や「いただきます」の頃から山田貴敏さんの事は知っていましたが、実際に彼の作品にはまったのは、この「アクシデンツ 事故調クジラの事件簿(以後、『アクシデンツ』と省略)」だったりします。

で、「『Dr.コトー診療所」は、「あの『アクシデンツ』の作者さんの最新作かぁ。」という事で買い集め始めたのでした。

『アクシデンツ 』は当時週刊少年サンデーで連載されていました。

主人公の鯨樹 雄(通常:クジラ)は事故調査官として、航空機事故や交通事故、謎の出火など、起きてしまった色々な事故について、その原因や、再発防止のための策を探っていきます。

各エピソードは長編のものもあるのですが、基本的に中編や短編で構成されており、テンポよく読んでいけるようになっています。
(各エピソードの長さは「Dr.コトー」と似ているかも)

事故の原因をさぐる段階では推理物を読んでるような面白さが楽しめ、あいまあいまに登場人物達のヒューマンドラマも楽しめるようになっています。

特に事故の原因や対策については、全部が全部というわけではないですが、実際に起きてる事故とかを防止するのに役立ちそうなものもあったりして、「なるほど~」と思わされるものもあったりします。

クジラは、今は亡き親友の娘の柊(ひいらぎ)という女の子をひきとり、自分の娘のように養っているのですが、体のでかいクジラと、体のちっちゃな柊の対比が結構面白いです。
(↑上記の1巻の画像でクジラが抱きしめてるのが柊)

 
この作品、連載当時はアンケートでは人気がとれなかったのか、結構毎週サンデーの最後の方にばっかり連載されていました。(今でいうD-LIVEの位置)
コミックスを毎回買っていた自分としては残念でしたが、それで作品の面白さがなくなるわけではないし、幸い後ろの方に掲載されていてもサンデーの場合は急に打ち切られるという事はなく、コミックスも12巻まで出て、最後も綺麗な形で終わる事ができたと思います。

最近、「Dr.コトー診療所」のヒットを受け、この「アクシデンツ」も復刻版が出たようです。

小学館のホームページのこちらで第1話目が試し読みできるようになってますので、興味を持たれた方は是非一度ご覧になってみてください。

アクシデンツ(7) アクシデンツ(5) アクシデンツ(8) アクシデンツ(3) アクシデンツ(4)

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03/25/2005

漫画家さんのアフィリエイトとか

昨日は漫画家の西条真二さんのホームページのアマゾンアフィリエイト経由で漫画を購入しました。
あの作者さんの個性的な画風が好きなんで。

もっと他の漫画家さんも、ホームページをもってアフィリエイトリンクを貼ったら、その漫画家さんのファンはコミックスを買うだけでなくアフィリエイト経由で商品を購入し(買う商品はその漫画家さんの著作でもいいし、そうでなくてもいい)、アフィリエイトの報酬でも漫画家さんを支える事ができるようになると思うんですがねぇ。

(自分的にはあまいぞ男吾のmoo.念平先生がホームページを持って、アマゾンアフィリエイトリンクとか楽天アフィリエイトリンクを貼ったら、結構そっちで購入しそう。)


自分自身昨年の11月頃から開始したアフィリエイトでいくばくかお金を貰っている(うち経由で買ってくれた人、本当にありがとうございます。m( )m)という事もあり、そのお返しというわけではないですが、アマゾンで漫画を購入する時とか楽天で物を購入する時は、できるだけお気に入りのサイトのアフィリエイトを経由して購入するようにしています。
アフィリエイト経由で購入してもしなくても、購入の時の代金は同じなので、どうせならお気に入りのサイトや漫画家さんに少しでもお金が入るアフィリエイト経由で購入してる・・・と。

1回1回は微々たるもんだと思うけど、「塵もつもれば」と思うし、自分のような考え方の人が増えてくれば、漫画家さんをより支えやすいと思います。

なんせ漫画家は当たればデカイけど、当たる人はそんなに多くなく、中には普通にサラリーマンをやっていた方がマシな生活を送れたのに(金銭的な面でも労働力的な面でも)という漫画家さんもいるようです。
まぁ、漫画家さんによっては「好きな漫画をかけてるんだから生活が苦しくてもかまわない」という人もいると思いますが。

鈴木みそさんの銭2巻でちょっとだけ新人漫画家(といってもそんなにメジャーじゃないところでデビューした場合)の年収について触れる話があったけど、正直これ見たら漫画家を志してる人が激減しそう・・・。

「サルでも描けるまんが教室」で有名な竹熊 健太郎さんの著作のマンガ原稿料はなぜ安いのか?についても漫画家が当たった場合をのぞき大して儲かる仕事ではない事が書かれているようです。
(自分はまだ未読なので、機会があればこちらも目を通してみたいと思いますが。)

出版不況で漫画が売れないといわれる現在はなおさら、コミックスを買うのとはまた別の方法でもお気に入りの漫画家を支える手段があればなぁと思います。(新人・中堅を問わず。)

なんせ漫画って、ほとんどが「その作者でしか描けない。(画風はもちろん、漫画家によっては「その漫画家でしか味わえない」という独特の雰囲気を醸し出す人もいるし。)」というものが多いので。

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03/24/2005

ワイルドアームズ4・・・・

【PS2】ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター 

ワイルドアームズ4(ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター)だけど、残念な部分がいろいろあります・・・。

まずワールドマップでの移動が従来の方式(3Dポリゴンのフィールドを移動)から、『地図のポイントを指定して行きたいところを指定』と非常に手抜き&淡白になり、『自分で世界を冒険している』という感覚がなくなりました。
これ、はっきりいってRPGとしてはかなり致命的なんだけど・・・。

現時点では飛空挺とか出るかどうかわからないけど、手に入れても3Dフィールドを飛び回るというのは無さそう。(FF10みたいにMAPを指定して移動ってなるでしょう・・・・。うーん・・・・。)

従来のワイルドアームズシリーズみたいに船や飛空挺などを手に入れて世界を探索するという楽しみは味わえなくなりました。
RPGではこれが楽しみの一つでもあるのに、なんで無くしてしまうかなぁ・・・。
製作者にとっては、製作が楽になって嬉しいかもしれないけど、プレイヤーにとっては「なんだ、この手抜きは・・・・」って感じがすごいするんだけど。

おまけに、町の中では建物の中に入る事ができなくなりました。
正確には、建物の中に入ろうとすると、会話画面が始まると。
これも、ちょっと手抜きすぎ・・・・。
製作者的には建物の中を製作する手間が省けて良かったんだろうけど、ワールドマップの手抜きの件と同じく、これもプレイヤーからすれば、「なんでここまで手抜きするかなぁ・・・」って感じ。

戦闘シーンは、やり込んでみないとなんとも言えませんが、最初の段階ではちょっと面倒くさい感じがしました。
慣れたらそこそこいけるかも。
しかし、時々バランスが悪く感じる時があります。
理不尽に殺される時があり・・・。 

ダンジョンは、よりアクションゲーム色が強くなったのは良かったと思うし、イベントもわりとマシになった感じですが、自分的にはワールドマップの手抜きと、町の建物の中に入れなくなったというのは、ものすごく痛いですね。

ワイルドアームズシリーズはめちゃくちゃ好きなシリーズだっただけに、今回の手抜きは残念すぎます。

従来のシリーズファンは、いきなり買わず、ちょっと評価待ちをした方がいいかも・・・。

ちなみに、自分のワイルドアームズ歴は

ワイルドアームズ1・・・発売日に購入。めちゃくちゃ好きな作品。何度もプレイした。
ワイルドアームズ2・・・発売日に購入。1ほどではないけど、2もかなり好き。
ワイルドアームズ3・・・発売半年後に購入。ちょっといまいちだったと思う。
ワイルドアームズF・・・未プレイ。

といったところです。

シリーズものはマンネリとの戦いでもあると思うけど、「これだけは残しておいて欲しい。」という点はしっかりおさえて製作して欲しかったです。

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03/22/2005

博覧会をちょっとだけ振りかえる

もうじき開催の愛・地球博。
めちゃくちゃ行きたいけど、多分自分は行けずに終わってしまうでしょう。
今回はロボとか各社から出まくるので、実際に見に行ける人がすごい羨ましいです。
今日昼頃に、関口宏さんなどが愛・地球博の見所をダイジェストで紹介する番組がありましたが、ロボ以外にも色々見所があるようです。
全部のパビリオンを楽しもうと、何回も行く人が多いでしょうね。


自分が今まで行った博覧会といえば、「奈良シルクロード博」と「大阪花と緑の博覧会」の2つです。

奈良シルクロード博は、結構何回もいったものの、行く度にNEC館で当時出たばかりのPCエンジンのビックリマン(グラフィックはビックリマンだけど、ゲーム内容はゲーセン版のモンスターアイランド)をアホほどプレイし、同じくNEC館内にあった体感マラソンゲームを何回もプレイして、プレイする度にもらえる缶バッチを集めたものです。
あと覚えているのは、タクラマカン砂漠のパビリオンで砂漠の暑さを体験できた事くらい?

会場で買ったシルクロードの行商人っぽい服装のボクサー(変な表現だけど実際そういうデザインになっとります・・・)は、今でも部屋にかざってますよ。服の下に手を突っ込んで左トリガー・右トリガーをひくと、左ストレート、右ストレートを繰り出せて、2体あればボクシングごっこができたんですが、結局1体しか買いませんでした。
(ちなみに、この人形は調子にのってパンチを繰り出しすぎると、たまに肩の関節がはずれて、えらいことになります・・・。)

そういやキョンシーのお化け屋敷があったのもシルクロード博だったかな?
 
 
大阪花と緑の博覧会(通称・花博)で覚えているのは、会場で初めてココナッツジュースを味わった事。(ヤシの実を切ってストローをさしたやつ)味はまずまずだったけど、飲み終わったヤシの実が店の横に山積みされていて、炎天下で放置されてると、ものすごい臭いを発生していたのを覚えています。
同じく花博で初めてアボガドというのを味わったっけ。どろっとした油をなめてるようで、ちょっと二度とご遠慮いただきたい感じでした。

花博ではフローラドームというのが強烈に印象に残っています。
ドーム型の建物に入ると、ドーム内部の壁部分がスクリーンになっていて、座席に座ると、観客達を中心に前方(左右および上下)180度~270度くらい(?)に映像が映し出され、臨場感がすごかったです。
で、その状態で流された映像が、ハチになって空を飛ぶというもの。
あの浮遊感はたまらなく気持ち良かったです。まるで自分が本当に空を飛んでるよう。
木にぶつかりそうになったシーンでは、ちょっと心臓に悪かったですがね。
90年は家庭用では3Dポリゴンゲームなんてなかったし、今現在では3Dゲームを手軽に楽しめるといっても、普通のテレビとかだとフローラドームのように視界前方をほぼ覆うくらいという感じではないので、臨場感という点ではちょっと劣ります。
フローラードームのように『映像に包まれる感じ』を味わいたくて、タカラの頭にかぶるヘッドマウントディスプレイのダイノバイザーを買ったものの、すぐ曇るし、画質も最悪でした。(それでもこれでキングスフィールド2を結構プレイしたけど)

あと花博で覚えているのは富士通館だったかな?
3Dメガネをかけて立体映像を楽しめるというのがありました。
この時受けた立体映像の素晴らしさが、後にバーチャルボーイやPCのゲームで立体視できるようになる3Dメガネ(自分が買ったのはELSA社のやつ)を買わせるに至ったのでした。
バーチャルボーイは、くそ真面目に発売日に買ったけど、すぐにソフトが出なくなりました。まぁ、レッドアラートとマリオテニスはそこそこ楽しんだものですが。
PCのゲームで立体視できるようになる3Dメガネは、結構立体感が素晴らしく、レースゲームなどでは背景がミニチュア模型のように感じたり、PC版トゥームレイダーでは遺跡がモニタの中に実在するような感じがして結構楽しんだのですが、これってモニターがCRTタイプでないとダメで、モニターを液晶タイプに替えてしまった今では残念ながら3Dメガネを使用する機会がなくなり、ほこりをかぶったままとなっています。
 
 
話を花博に戻しましょうか。
「フローラードーム」で検索すると、花博の事をまとめているサイトがありました。

1990花の万博

こういうページは貴重ですね。


ざっと見ると、ドルアーガの塔やギャラクシアンも花博のようです。これもやった記憶があります。

あとは山のエリアを散策し、世界各国の花々を見てまわったっけ。
 
  
  
 
当時は子供だったからか博覧会で色々なパビリオンがあっても、結局一部のパビリオンにしか行きませんでしたが(今考えると、すごいもったいない)、大人になった今なら博覧会に行けばもうちょっと色々なパビリオンをまわる事でしょう。

奈良シルクロード博も、大阪花と緑の博覧会(花博)も、今となってはいい思い出です。

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03/20/2005

コミックの売り上げ促進のための漫画の引用ガイドラインを

出版不況により一部の人気作をのぞき漫画が売れないと言われていますが、自分は漫画の売り上げを促進できる余地がまだまだあると思います。
しかも、出版社や作者はほとんど手間をかけずに。

現在一部の出版社では、インターネットのサイトで一部のコミックの1話目を丸々読めたり、最新刊の最初の数ページだけを読めるようにして、その漫画を知らない人にもその漫画の事を知ってもらって購入してもらおうというようになってきています。
ただ、この方法ではいちいち出版社側で漫画をスキャンするなどして手間がかかるためか、一部のコミックしか読める対象になっていないのが残念です。
また、1話目だけ読ませる場合は、「1話目は絵も汚く話も面白くなかったけど、途中から面白くなっていった」という作品の場合、逆効果という事にもなりかねないです。
(ちなみに、サンデーのサイトで「今日から俺は!!」の1話目が読めるけど、1話目は絵がかなり汚かったので、この作品を知らない人は「こういう絵なんだ・・・」って勘違いしてしまうかも・・・。)
 
  
漫画はやっぱり文章だけで紹介されるよりも、少しでもいいので実際のその漫画の絵も見れた方が購入意欲は高まると思います。
最近ではアマゾンリンクのおかげで表紙画像を掲載できるようになりましたが、漫画によってはアマゾンでも表紙画像が無いものや、表紙はあくまで表紙で実際の漫画の雰囲気を伝えるものでないため、効果は薄いような気がします。(無いよりはマシだけど。)
 
自分的には漫画の売り上げアップに特に効果的だと思われるのは、漫画の中の画像を掲載しつつ、文章で紹介された場合ですかね。

かくいう自分はベルセルクはファミ通で、実際の漫画の画像を添えながらストーリーやキャラが紹介されているのを見て「なんか面白そう」と思い購入するようになったし、「おとぎ奉り」という漫画も、作者の井上淳哉さんのサイトで存分に画像つきで紹介されているのを見て購入を決定した(購入意欲がかなり高まった)という経緯があります。
(どっちも表紙だけ見ていた時はあまり購入意欲は高まらなかったのに。)
 
 
漫画の場合、文章だけでは、その漫画の「面白さ」を伝えるのが難しく、文章だけで面白さを伝えようとするにはよっぽどのスキルが必要だと思います。
(自分で言うのもナニだけど、自分のおすすめ漫画紹介文は、その漫画の面白さを全然伝えきれてないように思います。)
 
 
漫画をスキャンして、画像を掲載しつつ漫画を紹介できた方が、もっと漫画の売り上げを促進できると思うし、実際に一部のサイトではそういう事をしている方もおられます。
自分の場合、そういうサイトで画像つきで紹介された漫画の場合、結構購入率が高いですね。
 
著作物の引用については、小林よしのりさんが敗訴した裁判で「漫画の引用は合法(ただし画像を改変した場合はダメ)」という事になりましたが、現時点では判例がこれ1点しかないため、ホームページなどで漫画の紹介目的に画像をスキャンして掲載した場合は、以下の引用の条件を満たしていれば裁判ではまず負けないと思いますが、裁判を起こされるという不安があります。

著作物の引用条件
・他人の著作物を引用する場合は、その必然性があること。
・引用部分が区別されていること。
・主従関係が明確であること(引用物の割合を高くしない)。
・出所の明示(何巻の何ページから引用したか)

(漫画の紹介目的での画像の引用では「必然性」という点でちょっと微妙ですね。)
 
 
 
現時点では以上のような事により、多くのファンサイトでは自分のおすすめ漫画を文章のみで紹介するようになっていますが、これが例えば出版社側で「紹介を目的とした漫画の引用のガイドライン」などを設けて、「その漫画の紹介目的なら少しだけ自由に漫画の画像を一部掲載できる」という風にした方が、売り上げをもっともっと促進できると思います。


ガイドラインの内容は

・出版社および作者に不利益にならない事
・紹介目的のみに利用する事(批判や中傷目的はアウト)
・ストーリーの重大なネタバレの画像は掲載してはいけない。
・掲載するカット数は多すぎない事。(カット数で言えば多くても20カット程度まで)
・ページ単位では掲載してはいけない事
・引用元(作者名・出版社名・この画像は何巻の何ページより引用したものか)をきちんと明記する事

とし、以上のガイドラインを満たすなら、漫画の画像を少し掲載して、その漫画を紹介しても良いと。

ガイナックスではエヴァンゲリオンの画像をホームページで利用できるようにガイドラインを設けて、ガイナックスが提供した画像についてはファンのホームページでも掲載できるようになっていますが、漫画の場合出版社で個別の漫画毎に掲載できる画像を用意するのは出版社にとってはかなりの負担になるので、一部の漫画しか画像を提供されないという事になってしまうでしょう。

「ネタバレにならない」、また「載せすぎない」という条件を満たすなら、読者が自分の持ってる漫画の一部のページをスキャンして、紹介目的で掲載できるとした方が出版社・作者に負担がかからなくていいと思います。

 
知らない漫画を買わせるには、実際に少しでもその漫画を見せて漫画の雰囲気を味わわせた方が購入意欲が高まるし、それに気づいたから最近の出版社ではサイトで「試し読み」ができるようになってきてると思います。

上述したようなガイドラインができれば、ファンの数だけその漫画が各種いろいろなサイトで実際の画像付で紹介され、その画像つきの紹介を見て購入意欲が高まった人が漫画を買い、現在よりも漫画の売り上げをもっともっとアップできるように思います。

出版社の方は是非ご検討を。

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おすすめ漫画:今日から俺は!!

今日から俺は!! (38)

今日から俺は!
著者:西森博之
 
 
 
●この作品の特徴●
「金髪の三橋とウニ頭・伊藤のコンビが繰り広げる不良系ギャグ漫画」「魅力的で笑えるサブキャラクター達。特に今井の馬鹿加減が最高」「ギャグがくどくなく、素直に笑える」「独特の西森節が心地良い」

 
 
2005年現在、少年サンデーで「道士郎でござる」を連載中の西森博之さん。
(「道士郎でござる」の連載は結局終わってしまいました。残念。)
 
「あまく危険なナンパ刑事」→「今日から俺は!!」→「SPINOUT」→「天使な小生意気」→「道士郎でござる」と、異なるキャラクターや設定の漫画を連載してきたけど、どの作品でも共通して独特の「西森節」と言える笑いが楽しめると思います。

この作者の描く漫画は、「ギャグ漫画」といってもくどいギャグではなく、それでいて結構笑えるという、独特の心地良さがあります。

絵自体は書き込みがすごいというわけではないけど、リアル頭身とデフォルメ頭身を使いわけ、メリハリのある表現手法で楽しませてくれます。
 
 
で、この「今日から俺は!!」ですが、この作品の連載を通して件の『西森節』が形づくられ、完成していったと言っても過言ではないと思います。

最初の頃は絵がわりと雑な感じがしますが、数巻してくると絵もこなれてきて物語やギャグに集中できます。
 
 
「今日から俺は!!」は不良を題材としてますが、同系統の不良漫画と比べると描写などがソフトとなっており、万人受けしやすいと思います。
(しかし、「不良」「ヤンキー」「つっぱり」のいずれも死語になりつつあるので、こういうタイプの漫画って何て言えばいいんだろう・・・。)
 
 
面白い漫画の条件の一つに『登場するキャラクター達が魅力的である事』が挙げられますが、この漫画に登場するキャラクター達も魅力的、というか笑えます。
主役の金髪頭の三橋は、ずる賢く、時ににやりとさせられるくらい狡猾なアイデアをひねり出して笑わせてくれます。三橋とコンビを組んでるウニ頭の伊藤は正直者で、一見三橋とは対極のキャラのように感じますが、だからこそコンビとしては相性がいいような気がします。
サブキャラクター達も沢山登場しますが、その中で自分が特に好きなのは、アホ番長今井と、その今井につきそってる谷川ですね。
特に今井は自分は馬鹿でないと思いつつ、狡猾な三橋にいいように騙され続けるのが不憫で笑えます。
三橋に廃ビルに閉じ込められた時のエピソードはおかしすぎて、今でもつい何度も読み返してしまいます。

この漫画は、ギャグ一辺倒でなく、いい塩梅でシリアスなシーンもあり、結構ジーンとさせられるシーンもあったりします。
   
 
今でも根強い人気のある「今日から俺は!!」。
少年サンデーで連載中の「道士郎でござる」を読んで、この作者の独特のセンスにはまった人はもちろん、西森作品自体未読の方にも是非おすすめしたい作品だと思います。

今日から俺は!! (33)今日から俺は!! (24) 今日から俺は!! (15) 今日から俺は!! (35) 今日から俺は!! (28)

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03/18/2005

テイルコンチェルト

ジャンル:アクションゲーム(PS)
メーカー:バンダイ(開発 サイバーコネクト2)
 
 
メーカー公式ページ:http://www.cyberconnect2.jp/tailconcerto/
(画像つきでゲームが紹介されています。)
 
 
 
●この作品の特徴●
「アニメ名探偵ホームズのような犬ヒト、猫ヒト達の世界」「二足歩行ロボットに乗って猫ヒトの子猫達を捕まえたり、ボスと戦ったり。」「合間合間に入るアニメムービーやリアルタイムポリゴンデモが見ていてほほえましい。」「異様に豪華な声優達」「PS時代のゲームなのでポリゴンは荒いけど、絵作りが上手いので、今でも人形劇を見てる感じで楽しめます。」

 
 
今回紹介するのは、プレイステーション(PS)用3Dアクションゲーム「テイルコンチェルト」。
 
登場するキャラクター達は「アニメ名探偵ホームズ」のような擬人化された犬や猫たち。
(このゲームでは「犬ヒト」「猫ヒト」と呼ばれています。)

主役の犬ヒトの警察官ワッフルは『ポリスロボ』と呼ばれる二足歩行ロボ(頭がついてなくて、頭部に腰掛ける形。古いけどアニメ『未来少年コナン』でダイス船長が乗っていた緑色の二足歩行ロボに似ている感じ)に搭乗し、黒猫団を追いかけます。
 
ゲームは基本的には「町の人々から話などを聞く」「ポリスロボに乗って黒猫団の猫ヒトの子猫達を捕まえる。」「ポリスロボに乗ってボスと戦う」の3つのパーツからなっています。

ステージは、町、鉱山、豪華飛行船内部、浮遊大陸、氷の大陸、その他などからなっており、色々なステージで「ニャハハ」という笑い声を上げながら逃げまわる子猫達を追いかけまわすのは、なかなか楽しいものがあります。
ボス戦も適度な難易度で楽しませてくれます。
(ネコをベースにしたデザインのボスマシンは中々見所ありです。一部のボス戦では戦ってる最中に面白い事が起こって笑わせてくれます。「ワッフルの馬鹿ヤロー」とか。)

ちなみに、ポリスロボは×ボタンでジャンプ、□ボタンでバブル弾を発射(弾を子猫に当てて動きを止めたり、子猫が乗ってる機械やボスにダメージを与えたりできます。)、○ボタンでポリスロボの腕を少しのばして物を掴んで投げたり子猫を逮捕する事ができるようになってます。

合間合間にアニメムービーや、リアルタイムポリゴンデモなどが挿入され、物語に引き込んでくれます。
アニメムービーやリアルタイムポリゴンデモでは音声が入りますが、異様に豪華な声優達にびっくりします。
陶山章央、宮村優子(エヴァンゲリオンのアスカとか)、樋口智恵子、西原久美子、TARAKO(ちびまるこちゃん)、中尾隆聖(ドラゴンボール フリーザ)、坂本真綾、置鮎龍太郎、秋元羊介、清川元夢(エヴァンゲリオン冬月)といったところ。

 
このゲームはアクションゲームとしては難易度は適度なんですが、PS2で出てるような3Dアクションゲーム(ラチェット&クランクとか)のようにカメラワークをプレイヤーが操作できないという点で、多少見にくいと感じる事があります。
(まぁ、当時のPSではコントローラーに『右スティック』というもの自体なかったし。)

あと、全体的なボリュームが少なめ(普通にクリアすると5時間程度でクリアできてしまうところ。隠し要素の写真集めなどを行っても、6,7時間でクリアできるでしょう。)なのが人によっては残念と感じる事もあると思います。

ただ、自分的には、この短い時間で最初から最後まで楽しめてしまうのが、逆に何度も再プレイする気にさせ、頻繁ではないですが気が向いた時に「またテイルコンチェルトを楽しむか」といった感じで、繰り返しプレイしてたりします。
ゲームをしてるというより、短い物語を楽しんでるといった感じでしょうか。
(いや、アクションゲーム部分も楽しいんですがね。) 

純粋なアクションゲームを期待すると、ボリュームの面で肩透かしを食らうかもしれません。

ただ、ポリスロボに乗りながら猫ヒトの子猫達を追いかけまわすのはなんか癒されるし、ストーリーは凝ったものではないけど、ふと気づいた時にまたプレイしなおしたくなるような魅力があると思います。 
(ネタバレになるので詳しい事は言えませんが、物語導入とラスト部分がうまくリンクしており、プレイし終わった後の余韻が実にいいです。) 
  
 

 

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03/13/2005

漫画の中の性的シーンについて

先日2巻を読んで気にいったSF漫画「MOONLIGHT MILE(太田垣康男)」・・・月に埋蔵されてるへリウム3を次世代のエネルギー資源として発掘するために、アポロ計画以来、再び人類が月への進出を目指す模様を描いた近未来SF作品となっています。

昨日1巻と3巻を購入したので読んでみました。

1巻では物語の主人公である猿渡吾郎とロストマンの登場をはじめとして8つのエピソードが収録され、3巻では前編・中編・後編からなる中長編のエピソードが3つおさめられています。

各巻読後感の良いエピソードが収められ、1巻、3巻ともに満足度は高く、今後も以降の巻を集めていきたいと思いました。

それはいいのですが、ちょっと気になったところが。


第1話冒頭でいきなり主人公と女性の濃い目の性的なシーンから物語は始まります。
そして2話目でも、物語で何度も登場するであろう女性の性的なシーンから物語は始まります。
(尺は短いですが、描写がちょっときつい・・・)

連載がビッグコミックスペリオールという一定以上の年齢の人を読者層とした雑誌だからこういう濃い目の性的なシーンがあるのでしょうが、正直自分はひいてしまいました。


普通に近未来SF作品として面白いのに、こういう濃い目の性的な描写を入れられると、台無しとは言わないまでも、その作品の良さをスポイルしてしまうような気がします。
(少なくとも万人に薦めにくくなる)


物語上必要なために濃い目の性的なシーンを入れる必要があるというならともかく(例えばベルセルクのあのシーンやあのシーンとか)、そうでなくあまりきつくない描写の性的なシーンでもすむなら、描写をもうちょっとソフトにするとかした方がいいと思うんですがね。

テレビや映画と異なり、漫画ってなんか不必要に描写のきつい性的なシーンを入れられてる場合が多いですね。
アフタヌーンで連載していた「砲神エグザクソン」なんかは、主人公とヒロインの性的なからみのシーンは、描写がちょっときつすぎると思いました。特にヒロインはなんか幼児体形なので、別の意味でもやばい感じでしたし。
(エグザクソンは、漫画自体は海外ドラマの『エイリアンウォーズ』をなんか彷彿とさせるような緊迫したシーンが多く、好きだったんですが。最後がちょっと打ち切りっぽい感じで残念ですが。)

MOONLIGHT MILEについては2巻のみを読んでいた時点では「面白かったので兄弟や両親(うちは両親もそこそこ漫画を読む)にも薦めよう」と思っていたけど、1巻の冒頭のいきなりのアレで、一気に薦めにくくなってしまいました。
(といっても、2巻のみでも軽くは性的な描写はありましたが)

漫画自体は面白いので、非常にもったいない話です。

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03/10/2005

サンデーのギャグ漫画

少年サンデーのショートギャグ漫画(短いページで連載のギャグ漫画)は、わりと自分のツボにはまるやつが多いようです。

「神聖モテモテ王国」、「ダイナマ伊藤」は好きな作品でした。

「ダイナマ伊藤」より多少はパワーダウンしたものの「オレさまは?」も毎回楽しみにしていて、これが終わって残念と思う間もなく、今現在は「兄ふんじゃった」にはまってます。

「兄ふんじゃった」は単行本が出たら買ってしまいそうですね。

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03/04/2005

新しい漫画家のかたち

下記1~7が実現するとしたら、現役の漫画家あるいは漫画家予備軍の方はどう思うでしょう?


<1.雑誌で連載枠を獲得する必要が無くなる。>
「連載枠が獲得できるまで待たないといけない。」という事はなくなる。(古参の漫画家・新人漫画家ともに)
「雑誌で連載が終了すると職が一時的になくなる」という漫画家にはよくありがちな事もなくなる。
漫画家本人がやる気なら、休みなく次々と作品を発表・発売していける。

<2.雑誌でよくあるような打ち切りが無くなる。>
「人気がなくなったので変なところで強制的に終了させられる」という事はなくなる。
逆に「ここで終了した方が納得できる終わり方にできる」と思った時はその作品を自由に終了させられる。
(現在の雑誌連載では、人気が出ると終わらせてもらえないという事がある。結果「あの時に終わっておけば名作だったのに・・・」というケースが多々あります。)
つまり、綺麗な形で作品を終わらせる事ができる。
ちなみに「雑誌自体休刊になって作品が中途半端なところで終わった」というファンにとっても作者にとっても無念な事は無くなる。

<3.雑誌のカラーにあわせた作品作りをする必要が無くなる。>
雑誌連載だと自分の好きなような作品を描かせてもらえないという事もあるが、それが無くなる。
雑誌読者層と自分の作風のずれにより人気を獲得できず、早期に打ち切られるという事も無くなる。

<4.マイペースで作品作りをする事ができる。(締め切りは自分で決める事ができる)>
締め切りを決めるのは漫画家本人。「締め切りを守るために納得できない話になってしまった」「もう少し時間があれば完成度を高める事ができたのに・・・」という事はなくなる。
(漫画家によっては「締め切りがないと描けない」という人もいそうだけど・・・。)
また、別の仕事をしながら1年~1年半に1冊といった感じのゆっくりとしたペースで漫画を発表発売していく事もできるようになる。(専業漫画家ではなく兼業漫画家というかたちでも漫画家をやっていけるようになる。)

<5.印税率は50%~70%に。>
1冊400円とすると、印税は1冊売れる毎に200円~280円。(販売チャンネルにもよるが)
平均的なサラリーマンが1生かけて稼ぐ金額は約2億円くらい?
これを現状の漫画家が同等の金額をかせごうとすると、漫画の印税は現在は10%なので、400円のコミックス(印税40円/1冊)を生涯で累計500万部は売らないといけない。原稿料収入を計算に入れても生涯で累計300万部~400万部は売らないといけないと思う。(かなりおおざっぱな計算ですが)
仮に印税が70%になったとすると、生涯で累計70万部程度売ればよいだけになる。
(こっちの方は原稿料収入というものは無いけど)

生涯で20冊分の漫画を出したとすると、印税率10%ではノルマは1冊あたり15万部~20万部必要だけど、印税率が70%になるとノルマは1冊あたり3万部程度ですむと。
しかも一度出した本は↓のように絶版無しとしたら・・・。

<6.基本的に一度出した本は、絶版なし。何年、何十年でも売り続ける事ができる。>
現在は、出した漫画は人気作をのぞいて数年で絶版となり、絶版後はその漫画は収入につながらない。
(復刻版で一部の作品が復刻され、また印税収入が少し入るようになる事もあるけど。)

仮に一度出した本は絶版が無くなり、基本的に何年・何十年も売り続けて収入を得る事ができるようになったとしたら、本を出せば出すほど安定した収入を得られやすくなっていく。 


<7.著作権は作者本人にのみ帰属し、ホームページなどで画像つきで漫画を紹介する事ができるようになる。>
現在は、漫画の著作権を持ってる作者が、自分のホームページでその作品を詳細な画像つきで紹介するという事はできにくい。(出版社に許可をもらう必要がある。)
(『おとぎ奉り』の作者さんのように、まれに自分のホームページで画像つきで自分の作品を詳細に紹介してる方もおられるけど。)

著作権が作者本人にのみ帰属し、自由に自分のホームページでその漫画を画像つきで紹介できるようになると、コミックス収録のうち一部の話をまるまるホームページで読ませて、その漫画を知らない人に興味を持ってもらってコミックを買ってもらうという事もできるようになる。(漫画の場合、やっぱり文章のみで紹介されるよりも、実際に読ませて気にいってもらった方が宣伝効果は高い)

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2005年3月現在では、上記の話(1~7)はまったく荒唐無稽な話だと思われるかもしれないけど、まもなくこういう夢のような条件で漫画を発表していく事ができるようになるのでは、と自分は思っていたりします。
言うならば「新しい漫画家のかたち」といったところ。

みまわしてみると、現時点ですでにちゃくちゃくと土台はできつつあります。
(雑誌以外での漫画の広告方法・販売チャンネルは現時点ですでに確立している。)


「なんのこっちゃ?」と言われそうだけど、つまりまぁ、ダウンロード販売の事です。
(といってもebookjapanとかじゃないです。)

現在雨後のたけのこのごとく、同人ダウンロードサイトというものが増えてきてます。
「同人ダウンロードサイトって?」という方に説明すると、自分で作ったゲームや漫画・イラストなどをダウンロード販売できるサイトの事です。
(同人=エロという認識が多いと思いますが、別にエロでなくても全然OK)


「同人ダウンロードサイト」という名前ではあるけど、別に同人でなく商業的な漫画発売の場としても利用できると思ってます。
販売するための登録は簡単で、登録代はいっさいかからず、本が1冊売れる毎に販売代行手数料をひいた金額が作者の元に入ってきます。
先ほどは印税率が50%~60%と書きましたが、サーパラマーケットというダウンロードショップの場合は販売代行手数料は30%なので、作者の儲け(印税率)は70%という事になります。
仮に200ページの漫画を1冊300円(税込み315円)で販売した場合、1冊売れる毎に約210円の利益が作者に入ります。

基本的に一度登録した作品は半永久的に売り続ける事ができるし、仮に登録作品が増えすぎてサーバースペースの都合上そのダウンロードサイトでは新規に作品を登録できなくなったり、そのダウンロードサイトがなんらかの理由で無くなってしまったとしても、また別のダウンロードサイトに登録すればいいと思います。


同人ダウンロードサイトというのはワリがいいのか、現在次々と増えてきているので、「売りたいのに登録できない」という事はまず起こらないでしょう。

同人誌では200ページの本を作ろうとすると、製造コストの都合上1冊あたりは市販の漫画と比べようもないほど高くなってしまうようだけど、ダウンロードで販売する場合は製造コストがかからず、誰でも市販の漫画並の価格で漫画を発売する事ができます。
むしろデジタルの場合は市販の漫画より多少安くした方が受けがいいと思うので、530円クラス(ページ数200ページ程度)の漫画ならダウンロード販売では350円~400円程度とした方がいいでしょう。
価格は作者本人が決める事ができるので、同人誌みたいにたった数十ページで5,600円という価格設定も可能ではありますが、購入する側(読者)からすれば、その価格とページ数では「同人誌レベル(内容でなくてコストパフォーマンスという点で)」になってしまい、売れる数にも限界があると思います。


  
 
『ストーリー1話完結型の漫画』と『ストーリー連続型の漫画』では漫画の宣伝方法が多少異なりますが、基本的には「ホームページで漫画の宣伝をし、ダウンロードショップでコミックを購入してもらう」というかたちになると思います。

もうちょっと踏み込んで書くと・・・

『ストーリー1話完結型』の場合は、コミックスを1巻、2巻、3巻とどんどん出していく度にお試し版として、各巻より1、2話程度ずつホームページで公開していつでも読めるようにしていく。(ホームページに掲載する場合、差別化として画像はダウンロード販売版より若干縮小して)
ホームページでそのお試し版を読んで気にいった読者が「もっと読みたい」と思ったらダウンロードショップで各巻を購入してもらうという事になります。

『ストーリー連続型』の場合は、物語数話をホームページで読めるようにして、続きが読みたいと思ったらダウンロード販売版を購入してもらうというかたちがいいでしょう。

あるいは『ストーリー連続型』の漫画の場合、ホームページで漫画をマイペースで連載し(1話から最新話までまるまる読めるようにして)、ダウンロード版でもその漫画を販売するというかたちもありだとは思います。
ただ、その場合はダウンロードコミック版では加筆修正・追加エピソードやおまけページなどの追加などを豪勢にして、「ホームページである程度読めるけど、ダウンロードコミック版も欲しい。」と思わせるようにしないと思ったように売れないでしょう。
さらにホームページで公開している漫画とダウンロード販売版の漫画では画像解像度などを差別化するのも良いでしょう。
(ホームページでは文字が読みにくくない程度に小さめに表示し、ダウンロード版では迫力ある大きな絵で楽しめるとか)
 
 
 
発表できる作品をある程度ためてる漫画家さんなら、本日からでも「新しい漫画家のかたち」を開始できると思います。

ただ、現時点では、解決されるべきいろいろなハードルがあると思います。


以下、現時点での課題。

<ダウンロード販売の認知度や慣れ等による現時点の売れ行きの上限>
ダウンロード販売の認知度や慣れにより現時点では売れたとしても、上限があると思います。
印税率は高くても、売れる数が少なければ、思ったような利益にはつながらないでしょう。

本の場合はPC無しでも読めるという手軽さがあるけど、ダウンロードコミックの場合はPCやその他の端末が必要で手軽さが多少落ちるという事もあります。
ダウンロードコミックの場合、本のようにコレクション性が落ちたり、所有感が薄いという事もあります。
支払い方法もダウンロードサイトによってはネットバンクやクレジットカードを持ってないと手軽に支払いできないというところもあります。

ただ、ダウンロード販売は、「(支払い方法があれば)欲しい時にすぐ買えてすぐ読める。」「コミックを置くスペースに悩まされにくい。(スペースをあまりとらない。漫画を多く買うものにとっては切実な問題)」「小さな単行本と違い、大画面(17インチや19インチなど)で漫画を楽しむ事もできる。」「価格が市販の本より安くできる(=買えば買うほどお得)」「カラーページを収録し放題」「ダウンロードサイズを圧迫しなければおまけページを多少入れまくっても価格は安く提供できる」というメリットがあります。
漫画本編200ページに、キャラ設定その他おまけページを20~30ページ付けて300円程度で販売する事も可能です。
(市販のDVDがおまけをつけて売り上げアップにつながってるように、漫画でもおまけをつけた方がより売れるとわかれば、あまり労力がいらないけどページ数が稼げるキャラ設定やラフ画などのおまけページをつけまくるというケースも出てくるでしょう。) 

ダウンロードコミックの認知度の上昇や慣れ、漫画を読むのに向いた携帯端末の増加、ダウンロード販売サイトの支払い方法の容易化(銀行振り込みやクレジットカード以外にも決済方法の増加)などで、時間が経つとともにじょじょに売れ行きの上限は解除されていくと思います。


<違法コピーの問題>
ebookjapanのダウンロード販売のようにプロテクトをかけると違法コピーの問題は解消できますが、読者からすれば「プロテクトがかかっていたり、独自のファイル形式だと将来でも読めるかどうか不安がある」という事で購入を躊躇される方も多いと思います。(かくいう自分もそうですが)
自分は真に漫画のダウンロード販売が定着するには、「バックアップが簡単にとれること」「将来的な再生のしやすさ」「購入者本人なら携帯端末に(ムーブでなく)コピーでき、気軽に出先などでも読める」などを重視してコピープロテクトはかけず、違法コピーに対しては法律の強化で取り締まった方がいいと思います。
正規の購入者がわりを食うDRM(コピーコントロール制御)技術は、むしろダウンロード販売の発展にとってはマイナスだと思います。

先の著作権法改正で以前は「3年以下の懲役『あるいは』300万円以下の罰金」(+著作者が民事裁判を起こした場合はさらに賠償金)だったのが、改正により「5年以下の懲役『かつ』500万円以下の罰金」(+著作者が民事裁判を起こした場合はさらに賠償金)とより罰則が強化され、サイトやファイル交換ソフトで違法に著作物を配布したり入手したりして捕まると、よりしゃれにならない事態になりました。
著作権法違反の際の罰則が強化され、違法な形で入手しようとするチャレンジャーな人は減っていくと思いますが、それでも現時点ではコピープロテクトをかけてない場合は、違法にやりとりされる可能性は否定できないでしょう。
ただ、違法でファイルを入手しようとする人がいる一方で、きちんと正規に対価を払って入手しようとする人も少なくないと思います。
デジタルコンテンツの発展を考えると将来的にも罰則はさらに強化されたり、見せしめ的な裁判がより多く行われるようになって、違法なユーザーは減っていくとは思いますし。

<競争相手の増加>
「ホームページで漫画を紹介し、ダウンロードサイトで販売する」というのは、やろうと思えば誰でも開始する事ができてしまいます。
現時点では前例となるほどの成功をおさめた人がいないという事もあり、最初は誰もがこのビジネスモデルには二の足を踏むでしょうが、一人でも成功者が出ると、雑誌で連載をとれない休職中の漫画家さんや、なかなか連載までたどりつけない新人漫画家さん、漫画家を志望するアマチュアの方など、どんどん参入してくると思います。
また前述したように、別の仕事で働きながらも少しずつ漫画を描きため、コミックを販売するという『兼業漫画家』も登場してくるでしょう。

結果今でも多い漫画家の数がさらに激増して、競争がさらに激化し、魅力的な漫画を描けない漫画家はより淘汰されやすくなります。
「いかに個性的で魅力的な漫画を描けるか」が各漫画家の課題となるでしょう。

<この方法は原稿料収入はない>
雑誌連載のように「1ページいくら」といった原稿料収入はもらえません。
この方法ではダウンロードで販売したコミックスの印税収入のみに頼らないといけないです。

ただ、「不遇な漫画家とアフィリエイト」で書いたように、ホームページにアフィリエイトリンクを貼り、アフィリエイト収入を生活費の足しの一部にできる場合もあります。
(額的にはそんなに期待できないと思いますが。)

<担当者はいないので独りよがりな作品になってしまう事も>
雑誌連載のように編集者の方にネームを見てもらい、悪いところや修正した方がいいところなどのアドバイスを受ける事ができなくなります。
結果独りよがりな作品になってしまう事も考えられます。

現役の編集者や元編集者の方が多少の代金を払えばネームをチェックしアドバイスしてくれる(ただしそのアドバイスを元に修正するかどうかは漫画家本人が決める)というサービスができれば、ある程度需要はあるかもしれませんね。

<締め切りや管理はされ無いので、自己管理能力の低い人は途中で作品をほっぽってしまう事も>
「締め切りを自分で決める事ができる」という事は、裏を返せば自己管理能力がない人はずるずると締め切りをのばしてしまい、発売ペースが落ちたり、最悪途中でその漫画をほっぽり出してしまうという事もあるでしょう。
(当然そんな事をしてしまうと、今後のダウンロード販売でお客さんからそっぽを向かれ自分に還ってきますが・・・)


<個人情報の情報漏れ>
「ホームページで漫画を紹介してダウンロードサイトで販売する」という場合、ウェブスペースを確保するためのレンタルサーバー提供元への登録や、ダウンロードサイト等への登録の際に個人情報を入力する必要があります。
個人情報保護法が施行され、個人情報を漏洩した場合は罰則が与えられたりするようになり、より個人情報の管理は厳密にされるようになるとは思いますが、万一の個人情報の情報漏れは覚悟した方がいいでしょう。

漫画家の場合、最低自分で仕事場となるマンションなどを借り、サイト等へ個人情報を登録する場合はその仕事場の住所などを登録するなどした方がいいでしょう。
(最悪変な人に個人情報が漏れた場合は、引越しすればよいと。引越しした場合は新しい引越し先に登録内容を変更しないといけないですが。)

間違っても実家の住所などを登録するのはおすすめできません。
その場合個人情報が漏れると、家族にも迷惑をかける事になりかねません。

<裁判とか>
雑誌で連載する場合は万一裁判を起こす場合や起こされた場合は出版社が強い味方となってくれますが、雑誌で連載しないこの場合は裁判を起こす場合や起こされた場合は自分で弁護士などを雇うなどしないといけません。

本人はまったくのオリジナルのつもりで描いた漫画が、運悪く過去に他の人が発表した作品にかなり似ていて、その作者から訴えられたという事もまず無いと思いますが、起きないとも限らないです。
インターネットで誰もが情報発信者となりえるようになってから、パクったわけではないのに「あの漫画のあの話はオレがホームページで発表した話をパクッたものに違いない」と思い込んでしまう人もわずかだけどいるでしょうし。

 
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以上が課題といったところでしょうか。
  
 
 
雑誌で連載をとれず、いたずらに年月を経過させてしまっている休職中の無念な漫画家さんや、実力的にはプロレベルに達しているがなかなか連載を勝ちとれないという新人漫画家さんなどは、まずは漫画を少しづつかきため、1話完結型の短編集コミック(180ページで300円くらい)を同人ダウンロードサイトでダウンロード販売するなどして、この「新しい漫画のかたち」を実践されていってみてはどうでしょうか?

また、一度は漫画家を目指すも自分のペースでは漫画家をやっていくのはきつく、漫画家をあきらめて別の仕事についたものの、夢をあきらめきれない・・・・という人も、働きながらでもゆっくりと描きためていって短編集を発売するというのも「あり」だと思います。


いずれの場合も、ホームページでコミックの紹介(購入意欲をそそるような)と、1話か2話はちゃんと読めるようにするのは忘れずに。
(やっぱり実際にちょっと読めた方が結構購入意欲が高まると思うので。)

雑誌で連載しない場合は、ホームページが唯一の広告の場として機能します。
(ダウンロードサイトによっては「おすすめ作品」として紹介されるかもしれませんけど。)
そのため、「いかにホームページの知名度を高めるか」にも頑張らないといけませんね。
(検索エンジンやランキングサイトへの登録など)

ちなみに、「新しい漫画家のかたち」は「現在の漫画家のかたち」と排他的な関係ではありません。
(むしろ補完的な関係)

ダウンロード販売で人気やある程度の収入を得てから、そのままその生活を続けるもよし、出版社からの要請があればメジャーな雑誌で連載を開始するというのもありでしょう。

「今現在連載していて、もうすぐ連載が終わりそうだが、しばらくは骨休め的にのんびり作品を発表していきたい」という場合は、新しい漫画家のかたちへ移行するのもありだと思います。


あと、出版社が権利を握っているので難しいとは思いますが、雑誌で途中で連載を打ち切りされてしまった作品の続きを、ダウンロード販売で発表していくというのもなかなか面白いとは思いませんか?
(例えば武井宏之さんがシャーマンキングの続きをマイペースでダウンロード販売で発表していって物語を正式に完結させる・・・なんて面白いと思ったり・・・。シャーマンキングなら、ダウンロード販売でも万単位で売れそうだし。)

むちゃくちゃ長文になってしまいましたが、以上が「新しい漫画家のかたち」です。

この記事が漫画家・あるいは漫画家予備軍の方の今後の生活の参考になれば幸いです。


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03/03/2005

最近読んだ漫画の感想など20050303

最近読んだ漫画の感想など 2005年3月3日

<ベルセルク28巻>
待望の新刊。
あいかわらず1巻ごとの読み応えがあります。
今回は新キャラが2人ほど登場。
特に○○の方はなかなか謎な感じがして気になります。
あと今の絵柄で昔のキャスカ(短髪・鎧キャスカ)を描くとどうなるかと思っていたけど、結構違和感ないですね。
(グリフィスとかは今と昔では顔がだいぶ変わってしまいましたが。)
あんまネタバレしたくないので、ベルセルクの感想はこれにて。


<サトラレ7巻、8巻>
サトラレ8巻を買うも、「何かおかしい」と思ったら、どうやら7巻を買い逃していたもよう。
で、7巻も購入。

7巻では今までとは違って悪意のあるサトラレというのが出てきて面白かったです。
8巻はネタバレしたくないのでノーコメント。
一応8巻で「第一部完」らしいけど、これはストーリー的に第一部完というよりも、「アイデア補充のため、しばらくお休みをいただきたい」という意味での第一部完らしいです。
サトラレとは関係ないですが、8巻のおまけページの佐藤マコト先生が描いたブラックジャックとピノコはなかなか良かったです。(某雑誌のブラックジャック企画に参加されるようで。佐藤マコト版ブラックジャック楽しみです。)

<冒険王ビィト1巻>
遅ればせながら冒険王ビィトをぼちぼち集めようかと。
やっぱりというか、マァムっぽいキャラが登場。(で、ちょっとだけ色っぽいピンチシーンもあるし。)
まだ1巻しか読んでないけど、「ダイの大冒険」を彷彿とさせる感じでなかなか面白そうです。
絵柄がダイの大冒険の頃といい意味で変わってないのは嬉しかったです。

絵柄といえば、「サスケ忍伝」や「魔神竜バリオン」「鬼神童子ZENKI」の作者の黒岩よしひろさんのホームページがあるのを最近知って覗いてみたのですが・・・・絵柄がだいぶ変わってしまったのにびっくりしてしまいました。
昔の方が絵柄的には好きだったんですがね。
今の絵柄は正直個性がなくなって、よくあるようなギャルゲー風の絵柄って感じがします。
(昔の絵柄もギャルゲー風な絵柄には違いないんですが・・・)         

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