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12/14/2004

おすすめ漫画:死神くん

死神くん (1)

死神くん
著者:えんどコイチ(代表作:ついでにとんちんかん)

●この作品の特徴●
「泣ける」「1回1回話が完結しており、テンポよく読める。」「死神くんは基本的に脇役的存在(主人公は毎回異なる)」

ベルセルクの紹介の時に、「面白い漫画を5つ挙げるとしたら?」と言われれば、まずベルセルクを挙げるといいましたが、「感動する漫画を5つ挙げるとしたら?」と言われれば、この「死神くん」をまず挙げるでしょう。

昔買ったジャンプコミックス版全13巻は、何度も読みかえしてるため、カバーに破れがはいってテープで補修してたりしてます。

本日ここで紹介するために、軽くざっと読み返してみたのですが、昔と比べて涙腺が弱くなっているためか、もうパブロフの犬状態になってるためか、飛ばし読みで読んだにも関わらず、ちょっと泣いてしまいました・・・。
(特に「娘どろぼう」の巻は、やはり何度読んでもイイです。)

えんどコイチといえば、「ついでにとんちんかん」のギャグ漫画を思い浮かべる人も多いでしょうが、この「死神くん」はギャグが一部あるものの、生と死を真っ向から描いた作品となっています。
(背景のエキストラで、ついでにとんちんかんのぬけ作先生に似た顔のキャラも出てきたりしますが。)

死神と言えば人の命を奪うイメージがありますが、死神くん自身が命を奪う事はあまりなく、むしろ人に「余命はあと何日(あるいは「あと何年」)」と伝える事が多いです。

ちなみに死神くんは「死神手帳」というものを持っていて、その手帳に死因を書き込むと人を殺す事もできるようになっています。(といっても死神くんが意図的に殺そうとする話はあまりありませんが)
死神くんのエピソードの中で、いじめられっ子が死神くんの落とした手帳を拾い、手帳を使っていじめっ子を殺そうとするエピソードがありました。
読みきり版の「デスノート」って、この死神くんのエピソードに結構似ていて、読みきり版デスノートが掲載された時は、「死神くんの一エピソードのパクリ」とも一部で言われたものです。
(デスノートは連載版では、そういう事を忘れさせてくれるくらい面白くなったので良かったですが。) 
 
「死神くん」の話は1話完結型となっており、テンポよく読めるようになっています。
1話31ページの中で話を練りこんでおり、時には思いもよらないどんでん返しにうならされます。 
また、基本的に各話のラストのページの左側は縦に長いコマとなっており、これがなんともいい感じで余韻を与えてくれます。 
 

エピソードをネタバレしない範囲でちょこっと紹介すると・・・。

●厳格な性格のため生徒から嫌われていた先生が、死神くんに余命7年と伝えられてじょじょに変わっていく姿を描いた・・・「40人の子供達」の巻
●スパイ衛星に乗った国籍も異なる二人に起こった事とは・・・。ラスト付近のセリフ・シーンはなんとももの悲しいものがあります・・・・「国籍を捨てた地球人」の巻
●わが子を思う親の利己愛によって起きてしまった悲劇・・・・「ふたりの父親」の巻
●美人の真実(まみ)と、自分の顔に劣等感を持ってる友達の福子。真美は事故により顔と目に重症を負う。そんな時、福子は死神から自分があと少ししか生きられない事を伝えられるが・・・「心美人」の巻。
ラストシーン近辺での真美のセリフ、ラストの福子のセリフがなんとも良いです。
●子供の集まる空き地の隅にはボロ家が建っており、そこに住むおばあさんは子供達から「鬼ババ」と呼ばれて嫌われていますが・・・・「おばあちゃんのあき地」の巻
●事故により父親は植物人間に。父親のラーメン屋を継いだ息子の奮闘を描いた・・・「人生ラーメン」の巻。
(これもラストシーンの息子のセリフが泣けます・・・)
●戦争が終わった事を知らずに南の島に40年も取り残された老兵が、余命を前に死神くんに故郷の日本につれてきてもらいます。「平和」なはずの日本で彼が見たものとは・・・・「老兵は去らず」の巻
●死神に余命を告げられた中年おやじは、めげずに本業の空き巣を続けます。ある日空き巣に入った家で、家に残っていた高校生の女の子に見つかってしまい、ひょんな事から二人は意気投合してしまうのですが・・・・「娘どろぼう」の巻
●借金で首がまわらなくなり一家心中をしようとしてる家族を描いた・・・「帰ってきた父ちゃん」の巻。父親のダメ人間っぷりに最初は笑わせられていますが、ラストでは泣いていたりします。
●動物園に閉じ込められたライオンを描いた・・・「コンクリートジャングル」の巻
(このエピソードでは人間でなくてライオンが主人公です。)
●がさつな母親に辟易していた小学生の息子は、ある日遠足でどさくさにまぎれて母親を殺そうとするのですが・・・「母ちゃんなんかいなくなれ」の巻
●自殺するためビルから飛びおりようとしてるところを引き止めたのは、自分そっくりの顔の人間だった・・・「本当の自分」の巻
●サッカー選手を夢見る兄は事故により足が動かなくなる。体の弱い弟に自分の夢を託そうとするが・・・・「兄弟のキックオフ」の巻

上記のエピソードのうち、「心美人」の巻、「おばあちゃんのあき地」の巻、「娘どろぼう」の巻などは特に好きなエピソードですね。
ここで紹介している以外にも、秀逸なエピソードが多いです。
(全部で70以上のエピソードがあります。)
 
 
「感動する漫画が読みたい」という方には、この「死神くん」は是非ともおすすめしたい作品です。

(「感動する漫画」と紹介すると、どうしても斜にかまえてしまって、素直に感動できないという事もあると思いますが・・・。この「死神くん」はそういうの無しで素直に読んでもらえたらと思います。)

死神くん(6) 死神くん(7) 死神くん(4)

sini01

↑死神くんと悪魔くんを描いてみた。
(うまく描けたと思ったけど、時間をおいて見てみたら、死神くんの顔がやっぱちょっと変になっとります・・・。)
悪魔くんってのは、人間の3つの願いをかなえるかわりに、魂をいただきます。
死神くんの良きライバルでもあります。

ちなみに文庫版をリンクしてるけど、買うなら古本屋で昔のジャンプコミック版(全13巻)を買った方がいいと思います。
何故なら、文庫版は、どうやら「心美人」の回のキャラクターの絵が書き直しされていて、この回の主役の福子の顔がより「ぶさいく」になってるようなので。
もともと「美人ではない」という設定だけど、旧版を読んできた読者からすれば、文庫版の福子の顔はちょっといただけません・・・。
(ジャンプコミックス版の10巻で行われた「あなたの好きなエピソードは?」のアンケートで、堂々の第一位に選ばれた「心美人」の巻が、よりによってこのような形で台無しにされるのは、もったいないと思います。)

変に書き直しをされてなければ、今でも生産されてる文庫版をおすすめできたのですが・・・。

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