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11/30/2004

ニューシネマパラダイス

ニュー・シネマ・パラダイス
フィリップ・ノワレ ジュゼッペ・トルナトーレ
ジェネオン エンタテインメント
2000-08-11


by G-Tools

ジャンル:映画
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽:エンリオ・モリコーネ
出演: フィリップ・ノワレ , ジャック・ペラン , アニェーゼ・ナーノ , サルヴァトーレ・カシオ , マリオ・レオナルディ 他

映画が始まる。
最初に映し出されるのは、そよ風にはためくカーテン。
流れるおだやかな音楽。

この時点で心がじーんとなってきます。(最早パブロフの犬状態)
そしてラストのシーンでは、何度観ても熱いものがこみ上げてきます。

ストーリーは主人公の「壮年時代編」→「少年時代編」→「青年時代編」→「壮年時代編の続き」という風に展開されていきます。

物語は一人の年老いた女性が電話をかけるシーンで始まります。
彼女は自分の息子のサルヴァトーレ(主人公)に連絡をとろうとしています。

自宅に帰ったサルヴァトーレは、愛人から、母親から連絡があった事、「アルフレードが亡くなった」という事を伝えられます。

ベッドの中で考えこむサルヴァトーレ。
少年時代へと思いを馳せます。

トト(サルヴァトーレの幼年時代の名前)は、映画館『パラダイス座』とそこで働くアルフレードという映写技師が好きでした。
アルフレードは初老のおじいさんでしたが、人なつっこい笑顔で観るものを魅了します。

少年時代編は幼いトトとアルフレードの交流を軸に、トトの映画への愛情がじょじょに育っていく様子が描かれていきます。

やがて不幸な事故を経て、やがて舞台は青年編へと移ります。

パラダイス座(改名してニューシネマパラダイス座)でアルフレードと共に働く事になったトトは、やがてエレナという女性と恋に落ちます。

エレナとの恋愛を軸に描かれる青年編。
そして青年時代の恋の結末は・・・・。

青年時代編も終わりを向かえ、トトは愛する映画への思いを捨てきれず、故郷から旅立ち映画監督になる事を選びます。
別れの時、アルフレードはトトに、「もう二度と故郷には帰ってくるな。過去をふりかえらずに進め」といいます。

トトはアルフレードとの約束を守り、その後一度も故郷へは帰らなかったのでした。
アルフレードの訃報を聞くまでは・・・。

舞台は冒頭の壮年時代編に戻ります。
アルフレードの葬式に出るために故郷に帰ってきたサルヴァトーレ(トト)は、そこで時代の流れによって変わってしまったもの、変わらなかったものを実感します。

時代の流れには逆らえず朽ちたニューシネマパラダイス座を前にしてサルヴァトーレが思うものは・・・。

そしてアルフレードの奥さんから、アルフレードの形見として託されたあるもの。
それを見たサルヴァトーレは・・・・。

実は一番最初に観た時はまだ子供だった事もあったのか、あまり感動したという記憶がありません。
ところがそれから何年後かしてから観た2回目、3回と観ていくうちに、この作品にどんどんはまっていく自分がいたのでした。

全編に流れるエンリオ・モリコーネの音楽は実に心地よく、愛らしいトトと親しみやすいアルフレードの交流がユーモラスに描かれた少年時代編、トトの成長と恋愛を描いた青年時代編、そして過ぎ去ったものに思いを馳せる壮年時代編では時代の流れを感じてなんとも言えないものがあります。
そして、あのラストシーン・・・。

あまり同じ映画を見返すというのは好きではないのですが、この映画は何度も繰り返して見たりしてしまいます。

このニューシネマパラダイスは「ニューシネマパラダイス(2時間程度)」と「ニューシネマパラダイス 完全オリジナル版(3時間程度)」の2種類がDVDで出ています。

日本で最初に公開されたのは、2時間の「ニューシネマパラダイス」。
実はこれは当初想定していた作品から、1時間ほどシーンをカットしたものでした。

後に発表された「ニューシネマパラダイス 完全オリジナル版(以後『完全版』と表記)」は、そのカットされたシーンが丸々入っています。

じゃあ、完全版を一番最初に観るのが良いかというと・・・・ニューシネマパラダイスを観た事がない人には正直こっちを最初に観るのはおすすめできかねます。

「ニューシネマパラダイス」と「ニューシネマパラダイス完全版」では映画から受ける印象がまったく異なってくるからです。(ラストシーンの感じ方も異なってきます)
カットされた部分には性的な描写や人間くささの描写、青年時代に恋に落ちたエレナと壮年時代に再会するシーンなどが加わっており、正直一番最初にこっちを観ると、「そんないい映画ではないのでは・・・」と思ってしまうかもしれません。
(完全版は冗長に感じ、ちょっとラストの感動具合が薄れてます・・・。ここまで印象が変わるのは珍しいです。)

2時間の「ニューシネマパラダイス」を観た事がある人なら、その後に3時間の「ニューシネマパラダイス完全版」を観るのも良いと思いますが、一度もニューシネマパラダイスを観た事がないという人には、2時間版の「ニューシネマパラダイス」から観る事をおすすめします。
(といっても、たいていのレンタル店では「ニューシネマパラダイス完全版」しか借りる事ができないのが残念です・・・。セル版なら両方発売してるのですが。)



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11/29/2004

冒険野郎マクガイバー

いよいよ締め切りせまるスーパーチャンネル(http://www.super-ch.com/)の「海外ドラマアワード」。

スーパーチャンネルが過去15年間放送してきた海外ドラマ300タイトルの中で、一番好きな作品を各々が投票してNo.1を決めるというものです。

あなたはどの海外ドラマに投票しましたか?

自分は、表題の通り「冒険野郎マクガイバー」です。

この作品で海外ドラマの面白さにはまるようになったと言っても過言ではありません。


マクガイバーとのファーストコンタクトは、ある日新聞のテレビ欄で「新:マクガイバー」と記されていたのを見つけた時でした。
「お、なんかアニメでも始まるのかなぁ」と、期待とともに当時愛用していた携帯テレビをふとんの中でかまえながら、深夜の放送開始時間まで待機。
しかし、期待とは裏腹に、放送時間になって始まったのは、なんか海外のドラマ・・・。
当時はマクガイバーの面白さを全然知らなかったために、開始数分で携帯テレビの電源を切ってしまいました。


そして、それから数週間か数ヶ月が経った、あの運命のセカンドコンタクト。

ある夜寝付けなかった自分は、ふとんの中で当時愛用していた携帯テレビをつけ、適当にチャンネルを替えていました。
そしてふとあるチャンネルで手が止まりました。
そこでは主人公のマクガイバーと彼の祖父が、何やら殺し屋たちから逃げるシーンが映しだされていました。
二人は逃げる途中で草の茎を加工して吹き矢を作成したり、炎の中に入れるとはじける木の実を使ったりして次々と殺し屋たちの数を減らしていくのです。

今身近にあるものを組み合わせて武器を作ったり、トラップを仕掛けたりするのが妙に面白く、すっかり魅了されてしまいました。

そして、次の週から毎回深夜起きて放送を楽しむようになったのです。

とにかく冒険野郎マクガイバーでは、主人公のマクガイバーが機転をきかしてその場にあるもので色々なものを作りだし、毎回華麗に窮地を脱していくのが痛快でした。
薬品をくみあわせて煙幕を作ったり、機械や火薬を組み合わせて爆弾を作ったり、バズーカのようなものを作ったり。(でもマクガイバーは銃が大嫌いなんですが・・・)
高地で捕虜になった人物を救出した際も、現地調達でその場にあるエンジンやパイプなどを組み合わせてグライダーを作り、まんまと逃げおおせたのでした。

登場する人物も、マクガイバーの相棒のピーターソーントン、同僚のベッキー、悪友でトラブルメーカーのジャックダルトン、マクガイバーを狙う殺し屋マードックなど、実に魅力的です。

当時は自分用の大型テレビは持っておらず、わずか2インチの携帯液晶テレビで冒険野郎マクガイバーを楽しんでいました。

記憶の中ではそれでもそこそこの画面サイズで楽しんでいたと憶えていたのですが、最近棚の奥にしまっていた携帯テレビを見かえしてみると、「こんなに小さい画面だったのか」とびっくりします。
それだけ、マクガイバーに見入っていたという事でしょう。

最初はオンエアでリアルタイムに見るだけだったマクガイバーも、途中からビデオで録画するようになりました。

ビデオで録画するようになったのは、あるエピソードで主人公のマクガイバーが、「もうこんな危険な冒険野郎な生活はやめるよ」みたいな事を相棒のピーターソーントンに告白したのです。

それを見て、なんだか最終回のように思い、「ああ、もうマクガイバーは終わってしまうのかぁ・・・。結構楽しかったのになぁ・・・。今までの話をきちんと録画しておけばよかった・・・。」と非常に残念に思ったものです。

ところが、実はその回は最終回ではなく、次の週もきちんと放送があったのですよね。
それでその回からきちんと録画するようになったのです。
(この後、最終話まで1,2年ほど放送が続きました。)


途中から録画したため、以前のエピソードが録画してなかった事を心残りに思ってましたが(見出したのも途中からだし)、昨年、スカイパーフェクTVに加入して、スーパーチャンネルでマクガイバーが放送されると知るやいなや、狂喜乱舞して、HDD&DVDレコーダーで録画して、DVD-RAMにコピーしたのでした。

両面タイプのDVD-RAMが24枚ほど必要でした(24000円くらいかかった・・・)が、ビデオテープのように見る度にテープが劣化したりせず、大好きなマクガイバーの永久保存版が作れて大満足です。
(スカパーなので、画質はまぁそれなりですが・・・)

ちなみに、少年ジャンプの「ピューと吹くジャガー」の2巻の84ページで冒険野郎マクガイバーのネタを見つけた時は、わが事のように嬉しかったのを覚えています。
(「冒険」「野郎」「マクガイバー」って書いてます。)


「海外ドラマアワード」は、スーパーチャンネルを見てない人でも投票できるので、お気に入りの海外ドラマがありましたら、投票してみるのも面白いでしょう。
(締め切り:2004年11月30日)

http://www.super-ch.com/

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11/28/2004

おすすめ漫画:寄生獣

寄生獣 (3)

寄生獣
著者 岩明 均

●この作品の特徴●
「ストーリーにとにかくひきつけられます。」「緊迫したシーンが多く、中だるみする事なく、一気に最終話まで読ませてくれます。(読み出したら止まらない)」「SFホラーの最高傑作といってもさしつかえないでしょう。」

●注意事項●
血とか内臓とかグロいスプラッター的描写が多々あります。こういうのが苦手な人はパスした方がいいでしょう。

<戦慄のSFホラー>

ある日、空からテニスボールほどの大きさの球上のものが降ってきます。
地面に到達したその中から出てきたのは、ミミズのような奇妙な生物。
その生物は人間の頭部に寄生し、人体構造を内部から作り変え、その人間を乗っ取ります。
そうして誕生した寄生生物は、普段は人間の形を維持していますが、実際は擬態しているだけで、彼らの食料である人間を襲う時はそのおぞましい正体をあらわします。

物語の主人公のシンイチは、幸か不幸か右腕だけに寄生され、ミギーと名づけたその寄生生物と奇妙な共同生活を始めます。

各地で寄生生物によって起こされる一連の「ひきにく殺人事件」。
シンイチとミギーに忍びよる寄生生物達。

ストーリーにひきつけられ、読み出したら、ほんと止まりません。

物語は中だるみする事なく、緊迫したシーンの連続で、最終話まで一気に読ませてくれます。

漫画によっては「もうちょっと続いて欲しかった」とか、逆に「あそこで終わっておけば名作だったのに」と思うものも少なくありませんが、この寄生獣は、全10巻(分厚い完全版では全8巻)で、気持ちいいくらい過不足なく物語が語られています。

ちなみに、現在は「寄生獣」(各巻500円程度で全10巻)と、カラーページを当時のままのカラーで収録した「寄生獣 完全版」(各巻900円で全8巻)の2種類が発売中です。

初めて読む場合は、どちらを選んでもいいと思います。
(あえていうなら、完全版は表紙がシンプルなため、表紙イラストや、全巻を集める時の価格が安いという点で「寄生獣」の方をおすすめしますが。そのかわりカラーページがモノクロになってたりします。)

SFホラーの傑作としてあまりに有名すぎて今さら自分が紹介するのもどうかとは思いますが、連載終了から年月が経っている事もあり、「寄生獣」自体知らない人も増えてきたと思うので新たに紹介してみました。

人間が寄生生物に襲われるシーンは、かなりエグいため、そういうのが苦手な人にはおすすめできかねますが、そういう点をさしひいても読んでみる価値が大いにあると思います。

この作品はストーリーが実に面白くスリリングで、読み出したら止まらない、古今稀に見る傑作だと思います。
まだ未読の方には是非ともお勧めしたい作品です。

寄生獣(9) 寄生獣(6) 寄生獣(7) 寄生獣(4) 寄生獣(3)

寄生獣を楽しんだ後は、同氏の「七夕の国」も一読される事をおすすめします。
こちらは4巻完結と短いですが、寄生獣と同じくらいストーリーでぐいぐいとひきつけられます。
七夕の国 (4)
七夕の国 (4)

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おすすめ漫画:ゲッチューまごころ便

ゲッチューまごころ便 3 (3)
↑(主人公の紅男とライバルの佐古田)

ゲッチューまごころ便
著者:緋采俊樹(ひさいとしき)

●この作品の特徴●
「基本的に1話完結型のギャグ漫画」「登場するキャラクター達はいずれも個性が強い(強すぎるかも)」「これを読むと宅配会社や宅配人に親近感が湧くかも」

主人公の後藤紅男(ごとうべにお)は、高校生ながら、家業の「まごころ便」という宅配便営業所を手伝っています。
彼をとりまく個性的な仲間達とともに話は繰り広げられるのですが・・・。

最初はどちらかというと女性読者を意識したような絵柄(連載は少年チャンピオンでしたが)に、男の読者だと拒否反応が出るかもしれませんが、読んでるうちにそういうのは即効で気にならなくなると思います。(自分がそうでした。)

とにかくギャグがスピーディーで、基本的に1話1話完結してるという事もあり、読んでいて実に爽快です。

出てくるキャラクター達の個性が強く(というか強すぎる)、彼らのカラミを見てるだけで楽しいです。

「まごころ便」の競合会社「ツバメ便」の宅配野郎であり、紅男の永遠のライバルである佐古田(ペットは亀)
紅男が恋心をよせるコトミは顔はかわいいしスタイルもいいけど性格がかなりきっつい
紅男たちにふりまわされる不遇の女教師・中村アヤ子
「最強」の称号を欲しいままにする紅男の姉・後藤火呼(ごとうかこ)
その「最強」の女性に恋心をいだいてしまったかわいそうな紅男のおさななじみの葛西
「まごころ便」の営業所の面々(炎所長・加路さん・東海林さん・その他)などもひとくせもふたくせもあります。
さらに9巻から委員長・新名美羽(天然?)、その美羽に恋心をよせる女装男・梧(あおぎり)なども出てきて、ますますキャラクターに厚みが出てきて面白くなってきます。

(個人的には紅男とライバルの佐古田がからんだエピソードが、いずれも面白すぎて笑えます。10巻の紅男・佐古田・梧の三人がからんだエピソード「ヨメをめとらば」は珠玉。何度読んでも笑えます。)

また、基本はギャグ漫画ですが、時々しんみりとする話や考えさせられる話もあったりして、よりいっそう読後感を良くしてると思います。

宅配便を題材としてる事もあり、これを読んでいると結構宅配会社や宅配の人に親近感が湧いてきたりします。
年末年始の悲惨な重労働の話とか・・・。
(といっても高校での話や宅配とはまったく関係ない話も多いですが)

ギャグに勢いがあり、キャラクター達のかけあいが面白い漫画だと思います。
興味をもたれたら、是非ご一読される事をおすすめします。

ゲッチューまごころ便 2 (2) ゲッチューまごころ便 4 (4) ゲッチューまごころ便 12 (12) ゲッチューまごころ便 7 (7) ゲッチューまごころ便 5 (5)

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11/27/2004

御神楽少女探偵団シリーズ

続・御神楽少女探偵団~完結編~

ヴィアール・ワン
2000-09-21
売り上げランキング 4,050

おすすめ平均 
物語が遂に完結!

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↑の画像は「続・御神楽少女探偵団」のものです。


ジャンル:アドベンチャーゲーム(PS用ソフト)
メーカー:ヒューマン


PS用(もちろんPS2でも動作可能)の推理アドベンチャーゲーム。
「御神楽少女探偵団」と、その続編である「続・御神楽少女探偵団」が出ています。
(あとパソコン用の「新・御神楽少女探偵団」もありますが、これについては後述。)

時代は現在ではなく少し昔の帝都を舞台としており、クラシックな雰囲気でミステリーが楽しめます。
江戸川乱歩が描く少年探偵団の少女版といったところでしょうか。

主役が女の子三人という事でタイトルが「御神楽少女探偵団」となったのでしょうが、登場するのは男女いろいろでして、特にギャルゲーといったわけではないと思います。(ってファンの贔屓目かな?)

普段はひょろっとして頼りなさそうなのに、いざという時はキリッとしていいところをとっていく探偵事務所の所長の御神楽時人(みかぐらときと)。
主役の女の子三人におもちゃにされて、女装までさせられてしまう不遇なハーフの男の子の蘭丸(本名が「ランドルフ・丸山」だから略して「蘭丸」。・・・ちなみに女装時は「蘭子さん」って呼ばれるし・・・)。
顔はいかついし体もごついけど、なんか親しみを感じてしまう諸星刑事。
と、諸星刑事の相棒の栗田刑事。
いずれもいい味出してます。
また、これ以外にも、ひとつのエピソードにしか登場しない脇役についてもきちんと性格付けされているのが好感がもてます。


このゲームの特徴として、「推理トリガーシステム」というのがあります。
これが実に面白い。

色々な人に事件に関する話を聞いてまわるのですが、相手の会話の中で矛盾してる部分や違和感を感じるセリフがあったとします。
その時推理トリガーをひく(コントローラーの操作ではRボタンを押す)のです。
それが事件に関する重要なセリフの場合、トリガーをひく事によって、また新たな会話が聞き出せたり、物語が進展したりします。
逆に事件に関係ないセリフの時にトリガーをひくと、ペナルティーとしてトリガーをひける回数が1回減ってしまいます。
トリガーをひける回数には毎回限りがあり、間違った部分や事件に関係ない部分で無駄にトリガーを使いきってしまうとゲームオーバーになってしまいます。

いやがおうにも、相手のセリフをきちんと聞き・しっかり吟味し、トリガーをどこでひくかをしっかりと考えないといけません。(複数の人から事件に関する話を聞いてまわり、一人だけ言ってる事におかしい部分があるのを見つけるという事もあったり。)

従来のコマンド総あたり式のアドベンチャーゲームと違って、より能動的に事件にとりくまないと、話が一向に進まないのです。(といってもめちゃくちゃ難しいというわけではありませんので安心してください。)

このシステムのおかげで、あたかも自分が探偵になって聞き込みをしてるような感じを受けます。
おかしな発言や、事件に重要であると思われる発言を見つけるや否や、すかさず推理トリガー発動。
(ちなみに、御神楽少女探偵団の後に発売されたGBA用ソフトの「逆転裁判」でも似たようなシステムが採用されてます。こっちも結構好評です。)

あと、普通のアドベンチャーゲームではキャラクターの立絵が止まったままなのが、このゲームでは立絵が合間合間にちょっとしたアニメーションをします。
目と口がパクパクするだけではありません、体全体が動いて滑らかにアニメーションします。
(びっくりした時は、のけぞったり、考えこむ時はそれ用のアニメーションをしたり)
これがキャラ達により親しみを感じさせる要因となってるのかもしれません。

物語の合間には、ムービーパートもあり、こっちは画面全体でTVアニメのようなアニメーションが流れます。

各作品に収録されてるエピソードは

御神楽少女探偵団
 「五銭銅貨(練習用シナリオ)」
 「幽鬼郎」
 「太白星」
 「夢男」
 「甦る夢男」
 「猟奇同盟(前編)」

続・御神楽少女探偵団
 「猟奇同盟(前編)」・・・続編だけ買った人のために前編も再収録
 「猟奇同盟(後編)」
 「蜃気楼の一族」
 「暗闇の手触り」
 「生き人形」
 「さ・よ・な・ら」 

となっており、エピソード一つクリアするのに2~3時間くらい、「御神楽少女探偵団」と「続・御神楽少女探偵団」の全てのエピソードをクリアするのに30時間くらいはかかると思います。(スムーズにクリアできた場合)
アドベンチャーゲームとしては結構ボリュームがある方だと思います。


あとPS版以外に、パソコン用で「新・御神楽少女探偵団」というのが発売されています。

パソコン版はPS版が出た数年後に発売されたもので、キャラクターデザインが一新・シナリオも一から作られたはいいものの、こっちはアダルトソフトとなっており、無駄にエロ要素が入れられているようです。
おまけにキャラクターグラフィックも元のPS版からだいぶかけはなれたデザインとなっており、元のファンからは不評の嵐・・・。
アダルトソフトとなって発売されるとわかった時は、ファンの間から「なんでエロゲーにしたの・・・・。」とか「エロは余計」とか非難轟々でした。
で、実際に発売されてからも「やっぱりエロは余計だった」とか「シナリオもいまいち」とさんざんな評価ばかり・・・。

ただ、パソコン版のただ一つの救いとして、PS版の「御神楽少女探偵団」と「続・御神楽少女探偵団」も移植して収録(こっちの2作のキャラデザインはPS版のまま・グラフィックもほぼPS版のまま)しています。

つまり、パソコン版の「新・御神楽少女探偵団」を買えば、「御神楽少女探偵団」「続・御神楽少女探偵団」「新・御神楽少女探偵団」の全てが遊べるというわけです。
「新・御神楽少女探偵団」は新品でもアマゾンで6000円(送料込み)、中古だともっと安く買えるという事もあり、パソコン版のエロいパッケージに我慢できる人にとっては、非常にコストパフォーマンスの良いパッケージと言えるかと思います。


「売れなかったけど面白い推理アドベンチャー」として挙げられる事の多い「御神楽少女探偵団」。
(ちなみに、同じく「売れなかったけど面白い推理アドベンチャー」として「クロス探偵物語」も挙げられる事が多いです。)
メーカーのヒューマン倒産にともないスタッフはちりじりになり、元製作総監督がPC版でエロゲーにしてしまったのを残念に思うファンも多い事かと思います。
(キャラクター達が味があっただけに特に・・・)

できるならPC版のエロゲーは「無かった事」にして、PS2かPS3でまた復活して欲しいものです。



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11/24/2004

おすすめ漫画:恋風

恋風 1

恋風
著者:吉田 基巳

●この作品の特徴●
「絵にあたたかみがある」「一コマ一コマ変化するキャラの表情が豊か」「せつない純愛」


 

恋愛にはどこか冷めた感じの耕四郎は、つきあっていた彼女とも「耕四郎って心の底から誰かを恋しいと思ったことあるのかしら」と別れ話をきりだされる始末。
そんな耕四郎の前にあらわれた女子高生・七夏(なのか)。
実は彼女は、幼い時に両親の別居にともない別れ別れになった実の妹でした。(だいぶネタバレしてるように感じるかもしれませんが、実はここまでが第1話の内容です)

失った時間を取り戻そうとするように兄・耕四郎になつく七夏。
耕四郎は少し年の離れた妹に当初はとまどいながらも、じょじょに七夏の愛らしさに癒されている自分にきづきます。

そして、それぞれがいつしかお互いを恋しく思うようになり・・・・。

「血のつながった実の妹と兄が恋をする」という話だと、多分「ああ、オタ向けの話ね」とか思われそうです・・・。
(1巻の表紙がピンクだし。)
ところが実際に読んでみると、むしろ、この漫画は純文学作品に近いといった感じでしょうか。
作者が女性という事もあるのか、絵にあたたかみがあり、七夏の可愛らしさに「あざとさ」がありません。

時おり少しデフォルメされて描画されるキャラクターはすごい親しみがあります。

なんというか、この漫画は買ってから、馬鹿みたいに何度も読み返してしまったりしてます。
一コマ一コマキャラクターの表情が豊かで、女性ならではの巧みな心理描写も秀逸で、何度読んでも飽きないというか・・・。

物語序盤では、アゴ髭を生やした耕四郎が、妹の可愛らしさにドギマギする姿にクスッと笑い、じょじょにお互いへの恋心に気づき、でも血がつながっているから決して結ばれない・結ばれてはいけないというせつなさにのめりこんでいってしまいます。

ちなみにアニメ化もされて、DVDも発売中です。(全13話)
作品によっては「アニメより漫画の方が好き」「漫画よりアニメの方が好き」というものもあるでしょうが、この作品の場合、アニメ版にはアニメ版の良さがあり、漫画には漫画の良さがあると思います。
(漫画とアニメ版では描写や展開が多少異なる点があるので、その点でも楽しめます。アニメ版の次回予告の「千鳥が行く」はちょっと笑えます。)

漫画を読んで気に入った方は、是非アニメ版も観てみる事をおすすめします。
(逆にアニメ版を観ていて原作の漫画を読んでない方は、漫画も是非読んでみてください。)

漫画もアニメも見てないという方は、是非漫画を一読されてみる事をおすすめします。

恋風(3) 恋風(5) 恋風(4)

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おすすめ漫画:GANTZ(ガンツ)

GANTZ 1 (1)

GANTZ
作者:奥 浩哉

●この作品の特徴●
「ストーリーが面白く先がどんどん読みたくなる」「画力が高く、アクションシーンは迫力がある」

●注意事項●
スプラッター(血とか内臓とか)的なグロい描写があるので、そういうのがダメな人にはおすすめできません。
あと、性的な描写も一部あります。

「変<HEN>」という漫画を描いていた時は題材がなじめず、正直苦手な漫画家さんでしたが、GANTZを連載するようになってからすっかりお気に入りの漫画家さんとなってしまいました。

幼なじみとともに電車にはねられたはずの主人公・玄野計(くろの けい)は、GANTZという黒い玉があるマンションの一部屋に召喚されます。
そこには、同じ時期に死んだはずの人々も集められ、彼らは生死をかけた異星人狩りゲームを余儀なくされるのですが・・・。

とにかくストーリーが実に面白く、読み出したら止まりません。
ダイナミックなアクションシーンで魅せられ、先が読めないかつミステリアスなストーリー展開でグイグイひきつけられます。
エンターテインメントのあらゆる要素(ストーリーの面白さ・読者をひきつける謎・SF要素・アクション要素・恐怖・その他)がつまっています。

残酷な描写や、倫理的に問題のあるシーン(11巻の新宿駅の○○○○とか・・・)などが多々あるのは否めません。
ただ、こういう描写もあるからこそ、GANTZがGANTZとしての面白さを醸しだしているのではないでしょうか

死が残虐かつ無慈悲な死として描かれているため、それによって恐怖がよりひきたてられていると思います。
(異星人に追いかけられるシーンは、漫画を読んでるとわかっていても、本当にドキドキします。)

誰が生き残って・誰が死んでしまうかもわからないので、よりいっそうハラハラします。
(「え?ここでこいつが死んでしまうの!?」みたいな。)

ストーリーが二転・三転し、先が読めません。
毎回新刊を買って読み終わる度に「あー、早く続きが読みたい!!」となってしまいます。

漫画好きにはたまらない作品だと思います。

Gantz(17) Gantz(10) Gantz(13) Gantz(11) Gantz(15)

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11/20/2004

「デスノート完全版」の作り方

DEATH NOTE (1)

集英社
2004-04-02
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ジャンプのデスノートは面白い。
そして小畑健の描くカラーイラストは美麗でためいきがでます。。
コミックスに収録される際は、モノクロになってしまうのが、非常に残念ですね。

ある日、ふと、こんな事を思いついてしまいました。
昨今は「完全版」商法といいますか、「ジャンプ本誌掲載時のカラーページをそのままカラーで掲載」して再発売するという事があります。
「ドラゴンボール完全版」しかり、「スラムダンク完全版」しかり、「幽々白書完全版」しかり。

ただ、この完全版は、連載終了から何年も経った作品でないと発売されず、またごく一部の人気のある作品しか発売されません。


でも、スキャナーとプリンター(あとはフォトショップやペイントショップなどのレタッチソフト)があれば、自分で現行の作品のコミックスを「完全版」にできるのでは・・・?


やり方としては

1.完全版にしたい作品がカラーで掲載された号の本誌(ジャンプとかサンデーとかマガジンとか)を購入して保管しておく。その話が掲載されたコミックスが発売されたら以下を実行。

2.カラーページをスキャナーでスキャン。(切り取ってスキャンしてもいいし、そのまま切り取らずにスキャンしてもいいです。)
3.スキャンした画像を、コミックスの1ページと同じサイズでプリントアウト(普通紙より、綺麗に印刷できる光沢紙にプリントアウトした方が良いでしょう。)
4.プリントアウトしてきちんと乾かしてから、透明フィルムをプリントアウトした紙の印刷面に貼り付ける。(これは、コミックスにインクが色移りしないように)
5.コミックスの該当ページ(モノクロになってしまったページ)に、こうしてプリントアウトしたカラーのページをはさんでおく(しょぼいですが)か、もう少しお金を出せるなら、もう一冊コミックスを買って、モノクロページの上にのり(水のりは皺くちゃになるので、スティックのりで)で貼り付けます。(多少ページが分厚くなってしまいますが。)

これで「完全版」コミックスができちゃいます。

細かい事をあげたら、スキャンした後、画像の色調や明るさを調整したり解像度をかえたり、ページを切り取らずにスキャンした場合は、雑誌のとじの部分で多少ゆがんでしまうという事もありますが・・・。

あと、個人で楽しむ分には良いと思いますが、他人に売ったり譲渡したりすると完全に著作権法違反になるので注意が必要です。(個人で楽しむ分には「私的複製」って事で、まぁぎりぎりセーフなのではないでしょうか・・・?)


あなたも自分の好みの作品で、「完全版」コミックスを作って見ませんか?
例えば「アイシールド21完全版」とか「ワンピース完全版」「ブリーチ完全版」「結界師完全版」「いでじゅう完全版」「鋼の錬金術師完全版」などなど。

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11/19/2004

おすすめ漫画:神戸在住

神戸在住 1 (1)

神戸在住
著者:木村紺

●この作品の特徴●
「素朴な絵柄が心地よい」「まるでエッセィを読んでるかのような感じの漫画です」

「辰木 桂(たつき かつら)」という、神戸在住の大学生の女性の視点から語られる神戸の魅力や大学での出来事、友人などについて。

通常の漫画では空白となってるコマとコマの隙間に、ちょっとした短いセリフや文章などがはさまっていて、独特の雰囲気をかもし出しています。
絵柄が素朴という事もあいまって、まるでエッセィを読んでるかのような心地よい印象を受けます。

絵柄は素朴ですが、登場するキャラクター達は、実に魅力的かつリアリティーあふれる性格づけがされています。
あたかも実際にそういう人がいるかのように錯覚してしまうくらいです。

ページ数的には通常の漫画とかわらないのですが、文字数が多い事もあって、一つの巻を通して読むとボリュームが結構あるように感じられます。

おすすめの読み方としては、1篇1篇をじっくり味わいながら少しづつ読んでいくのが良いかと思います。
(たまに連作となってる話もありますが、基本的に1話1話ごと区切りがついた話となっています。)

この作品ならではの独特の雰囲気・心地よさは、一度味わってしまうと、くせになってしまいます。
興味をもたれた方は、是非ご一読される事をおすすめします。

 

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11/16/2004

泣き笑い文庫(異次元騎士カズマシリーズ)

トラックバック野郎に挑戦して見ようと思います。

自分の泣き笑い文庫といえば、高校生の時に読んだ角川スニーカー文庫のファンタジー小説「異次元騎士カズマシリーズ」です。

現時点では

「異次元騎士カズマ 黄金拍車 全5巻」
と、その続編の
「異次元騎士カズマ 骸骨旗トラベル 全3巻」
さらに続編の
「異次元騎士カズマ 剣奴王ウォーズ 2巻まで~」

が刊行されています。

筆名は「王領寺静」となっていますが、ファンタジー小説で有名な藤本ひとみ先生だったりします。
しかも、さし絵は「機動戦士ガンダム」で有名な安彦良和先生です。
最強のタッグですね。

魔術師によって現在から異世界へ飛ばされた主人公カズマが、中世のフランス時代(黄金拍車)や大航海時代(骸骨旗トラベル)、ローマ時代(剣奴王ウォーズ)で活躍するというストーリーとなっています。

登場人物(オリビエやロラン、エトワール姫)など実に魅力的で、笑いありシリアスあり、ちょっぴりお色気もあり、そして時に涙させられます。

主人公カズマの一人称口調で物語は語られ、読んでいると、カズマと一緒に泣き、笑い、怒り、くやしくなったりします。

今でも読み返しますが、何度読み返しても心に来るものがあります。

でも、泣き笑い文庫としてこの作品を挙げたのは、それだけだからではないんですよね。

この作品、10年前に剣奴王ウォーズの2巻が出ていらい、ぱったりと音沙汰が無くなってしまいました・・・。

当時角川ではお家騒動があり、このせいでゲーム系雑誌の編集者が大挙して他社へ移籍したり(角川の丸勝スーパーファミコンから、主婦の友社の電撃スーパーファミコンへ移籍したり)、異次元騎士カズマシリーズが出ていた角川スニーカー文庫の作品もまきこまれて、未完となったり他社への移籍を余儀なくされた (例としてはフォーチュンクエストが、他社で新フォーチュンクエストシリーズとなって生まれかわったりと)という話を聞いた事があります。

読者にとってはいい迷惑です。

ファンタジー小説では、この作品が個人的に一番好きな作品だっただけに、残念すぎて泣けてきますよ。

藤本ひとみ先生、あれから10年。
カズマの時はローマで止まったままです・・・。
オリビエがあのまま完全に復活できるかどうかも気になります・・・。

このまま未完で終わるには、あまりにも惜しい名作だと思います。

きつい言い方をしてしまうと、作品は作者だけのものではありません。支えてきた読者のものでもあると思います。
どうか、是非他社でもいいので、再開して欲しいと思います。
(書店売りが無理なら、ダウンロード販売でも良いので)

あともうひとつ注文を言えば、復活できるとすれば、できるだけ挿絵は安彦良和さんのままにして欲しいと思います。
(挿絵イラストが変わると、キャラの印象がだいぶ変わってしまうので)

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おすすめ漫画:もっけ

もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC

もっけ
著者:熊倉 隆敏

●この作品の特徴●
「まったり系妖怪ファンタジー漫画」「主人公の姉妹はかわいく、保護者のおじいさんは渋カッコイイ」「人によってはかなり萌える絵柄なのでは?」

妖怪を視る事ができる能力を持った中学生の姉・静流、妖怪にとり憑かれやすい体質をもった小学生の妹・瑞生・・・・・これだけ書くとバトル系妖怪漫画を想像してしまう人もいるかと思いますが、基本的にゆったりとした展開の作品となっています。
(時々少しだけシリアスになるけど)

毎回いろいろな妖怪や不思議な事象が登場し、二人の姉妹はそれに対して「どう退治するか」ではなく、「どう対応するか(折り合いをつけるか)」といった感じで話がすすんでいきます。

ゆったりとした本格的妖怪漫画として楽しめるのはもちろんですが、人によってはかなり萌える絵柄ではないでしょうか。
(小学生の妹の瑞希の出番がわりと多いですが)

それ系の人に受けたのか、「アフタヌーンシーズン増刊」という比較的マイナーな雑誌での連載であったのにもかかわらず、コミックス1巻が出るやいなや売れまくり、すごい勢いで重版がかかったようです。

現在はアフタヌーンシーズン増刊が休刊になったのにともない、月刊アフタヌーンに移動し、隔月連載となっています。
この作品が気に入った人は、月刊アフタヌーンも購入してみるのも良いかもしれません。
(コミックスだと、扉絵などのカラーページがモノクロになってしまうので。)

絵柄が自分好みで、かなりツボに入った作品です。 

 

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プロジェクター欲しい欲しい病

「プロジェクター欲しい欲しい」病が再発。

大画面で映画とかを楽しみたいなぁ・・・。

とりあえず、テレビから5メートルほど離れて、6倍の倍率の双眼鏡で見てみる。
(双眼鏡でなくても、近づいてみるという手も考えたが・・・)

・・・結構いけるかもよ・・・?

5000円(双眼鏡の値段)で、プチ大画面気分を満喫。
(結構ぶれるし、視界はせまいしで他人にはおすすめできないけど)

なんとかこれでD5パネル搭載機発売まで我慢しようと思います。

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11/15/2004

おすすめ漫画:ふたつのスピカ

ふたつのスピカ 5 (5)

ふたつのスピカ
著者:柳沼 行 

●この作品の特徴●
「温かな絵柄は、あたかも絵本を読んでるよう」「つむぎ出されるストーリーが心に響く作品」「NHK BSでもアニメ化されたけど、原作であるこの漫画版のアスミの方が何万倍もかわいい」

主人公アスミは、宇宙飛行士になる事を夢見る女の子。
彼女は、宇宙飛行士の幽霊(ライオンさん)とともに、宇宙飛行士訓練学校で宇宙飛行士になる事をめざすのですが・・・。

絵はめちゃくちゃ上手いというわけではないですが、なんというか、すごい温かみのある絵柄です。
個人的にかなりツボに入ってしまいました。

ちなみに、NHK BSでもアニメ化はされましたが、キャラクターデザインが原作の漫画版とちょっと変わっていて、残念でした。
正直、原作であるこの漫画版の方が、主人公のアスミは何万倍もかわいいと思います。

宇宙飛行士が題材となっていますが、小難しいSF作品というわけではありません。
むしろつむぎ出される人間ドラマを楽しむ作品といったところでしょうか。

かといって、それだけでなく、ライオンさんの過去やクラスメートのマリカの謎などによって、「先が知りたい」と思うようなストーリー展開にもなっていってます。

この漫画は、あたかも良質の絵本を読んでるような感じがします。

心を打つような場面やエピソードがいくつもあり、何度読み返しても「くる」ものがあります。
(4巻のライオンさんと彼の父親のエピソードは何度読んでも涙が出てきます。)

NHK BS2でアニメを観ていたという方はもちろん、未読の方で興味を持った方は是非一度は読んでみる事をおすすめします。

ふたつのスピカ(7) ふたつのスピカ(6) ふたつのスピカ(8) ふたつのスピカ(9) ふたつのスピカ(4)

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おすすめ漫画:まんがサイエンス

まんがサイエンス

まんがサイエンス
著者:あさりよしとお (代表作 「宇宙家族カールビンソン」「ワッハマン」「るくるく」など)

●この作品の特徴●
「子供が楽しめるのはもちろん、大人が読んでもはまってしまう」「読むと『科学はこんなにも面白いものか』という思いになる」「あさりよしとお氏ならではの、キャラクター達の軽快なかけあいが楽しい」

 
子供時代にこれを読んでいたら、すっかり科学の虜になっていたかもしれません。

この作品に最初に出会ったのは高校3年生の時。
学研の小学生高学年向けの雑誌で連載されている科学漫画という事で、子供向きの内容とタカをくくっていましたが、高校生だった時はもちろん、社会人になった今でも愛読書となっています。

身のまわりのサイエンス・人体の不思議・環境問題・ロボット・宇宙科学など、ありとあらゆるサイエンスが取り扱われ、「子供にもわかりやすく」かつ「大人でも十分楽しめる」内容となっています。

毎回登場する専門家達(人間ではないものも出てきますが)が、小学生達と軽妙なかけあいをしながら楽しく科学を解説していくのは、あさりよしとお氏ならではですね。
(ちなみに、あさりよしとお氏が描く小学生達は大変可愛らしいと思います。)

現時点(2004年11月時点)では9巻まで出版されており、9巻までの収録作品をざっと挙げると、「カプセルになったレタス」「光るメダカのなぞ」「頭がよくなる薬?」「恐竜人間はいたか?」「ロケットの作りかた教えます」「吾輩はロボットである」「時計の科学」「じょうぶで破れやすい袋?」「インフルエンザ大戦争」「津波パワーの正体は?」「一次電池と二次電池?」「どちらが長生き?ゾウとネズミ」「夢はなぜ見る?」「見る科学(テレビ・ビデオ・顕微鏡・双眼鏡・望遠鏡)」「おもちとごはん、どうちがう?」「もう活躍しているロボット」「人間型ロボットが働く未来」「傷は体の工事現場」「毒はどうして毒なのか」「デジカメVS目」他多数となっています。(これでもかなり省略してますが)

毎巻読み応えがあります。

現在は800円程度の通常版と、1200円程度の図書館版が同時に発売されています。
図書館版は文字通り図書館に置く事を想定としたものですので、個人で買う場合は安い通常版が良いでしょう。

小学校の学級文庫(クラス文庫)や中学・高校の図書館などにこのシリーズがあれば、科学にもっと興味を持つ子供達が増える事でしょう。
(教育者・学校関係者の方は、ご自身が勤務されてる学校への導入を考慮してみるのもいいかも知れません。)

子供をお持ちの方には、お子様にプレゼントして見るのも良いと思います。

きっと科学に興味を持つ事でしょう。

まんがサイエンス (8) ノーラコミックスDELUXE まんがサイエンス(9)

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ICO(イコ)

ICO PlayStation2 the Best

ソニー・コンピュータエンタテインメント
2004-08-05
売り上げランキング 47
おすすめ平均 

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ジャンル:アクションアドベンチャーゲーム(プレイステーション2用)
メーカー:ソニー・コンピュータ・エンタテインメント(SCE)

●この作品の特徴●
「空気感を感じるような美麗なグラフィックによる臨場感がたまらない」「パズルを解いたり、敵と戦いながら城からの脱出をめざす。」「角の生えた少年と光のような真っ白な少女、そして少女をつかまえようとする黒い影のような魔物たち」

<角の生えた少年と、光のような少女の物語>

角の生えた少年は、いけにえとして霧の中にそびえる城の中に連れてこられます。
彼は城の中で一人の少女と出会いますが、言葉が通じません。
二人は手をつないで城からの脱出を試みますが、少女を追って黒い影のような魔物たちが・・・。

「物語」とは書きましたが、全編通して登場するセリフはあまり多くありません。
このゲームはアクションアドベンチャーとなっており、パズルを解いたり、少女を連れていこうとする黒い影のような魔物を追い払ったりしながら、城からの脱出をめざすゲームとなっています。

ストーリー性は皆無ですが、実に臨場感のあるグラフィックなどにより、まるで実際に自分がその世界に入りこんだかのような錯覚をうけます。
そしてセリフで多くを語らないからこそ、逆に「何故少女は城の中にいたのか?」「少女を追ってくるこの黒い影のような魔物は何なのか?」など、色々考えさせられます。

操作系は、基本的にはキャラクターの移動やジャンプ・攻撃ボタンなどがあるのですが、それ以外にもこのゲームならではの操作として、遠くに離れてしまった少女を呼び寄せたり、少女と手をつないだりする事ができます。
(手をつないだ時、コントローラーの振動機能で手をつないだ事がプレイヤー自身に伝わるのも芸が細かいです。感情移入度がよりアップします。)

また、セーブは各所に置かれているイスの上にふたりですわって記憶をセーブするといった風になっており、これもまたこの世界に感情移入する事に一役買っています。

このゲームのグラフィックは目をみはる程美麗で、空気感・臨場感があります。
城の中の寂れた様子は寒々とした印象を与え、青々とした草や木・まばゆい太陽の光はそれとは逆に温かな印象を与えます。
陰と陽のコントラストが実に素晴らしい。
「感覚に訴えかけるようなグラフィック」、とでもいいましょうか。

アクション要素があるため、キャラクターを操作するのがとりわけ苦手な人には、おすすめできません。
また物語を楽しむといったタイプのゲームではないため、RPGとかのようなセリフやストーリーを楽しむタイプを期待すると、肩透かしをくうでしょう。

しかし、「あなたの好きなプレイステーション2のゲームは?」と聞かれれば、ICOを挙げる人は少なくありません。
それほど、このゲームにはプレイしたものの心をとらえる何かがあります。

「プレイステーション2ザ・ベスト」シリーズで再発売となったため、今現在では定価でも1890円(税込み)、アマゾンだと1529円(税込み・送料込み)となっており、非常にお求め安くなっています。

「興味があったけど未プレイだった」という方は是非一度はプレイしてみる事をおすすめします。

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11/14/2004

おすすめ漫画:ハムスターの研究レポート

ハムスターの研究レポート (5)

ハムスターの研究レポート
著者:大雪師走

●この作品の特徴●
「ハムスターの飼育4コマ」「読んでるとほのぼのとしてきます」「ハムスターを実際に飼ってみたくなる」

ハムスターといえば、自分の家ではペットは厳禁だったんですが、小学生の時に弟が無理やりつれかえったのを機に、半ばなしくずし的に飼う事になりました。
当時は自分も含め兄弟達はたいへん喜んだものです。
・・・・が、飼い始めてから1ヶ月もしないうちに、彼は飼育カゴの掃除の際に逃走を図り、まんまと逃げおおせたのでした・・・。
非常に悲しかったのを覚えています。
それ以来、ペットは飼っていません。

時は過ぎ、大学受験の帰り道、ふと立ち寄った本屋にてこの「ハムスターの研究レポート」1巻を発見。
軽い気持ちで購入したのですが、すっかりはまってしまい、現在ではすっかり愛読書になってしまいました。

ハムスター漫画といえば某ハムスター漫画が有名ですが、こっちの作品はあの作品のようにハムスターがしゃべったりしません。
(ちなみに連載開始したのは、こっちの方がはるかに昔だったりします。)

絵柄も割とシンプル系ですが、それでもなんとハムスター達の可愛らしい事か。

ちなみに4コマ漫画としては脅威的ともいえる売り上げで、シリーズ累計で200万部を突破してたりします。
(それだけこの作品は支持されているという事でしょうね。)

この作品は、本当にほのぼのとしていて癒されます。

なにより作者のハムスターへの愛情があふれています。

表紙カバーをはずすと、毎回ちょっとした4コマやイラストがあって、それも何気に楽しみだったり・・・。

疲れた時に読んでみると、心身ともに癒される・・・そんなおすすめ4コマ漫画です。

ハムスターの研究レポート(6) ハムスターの研究レポート(7) ハムスターの研究レポートポストカードブック ハムスターの研究レポート(第3巻)

ham02

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おすすめ漫画:ベルセルク

ベルセルク (1)

ベルセルク
著者 三浦建太郎

●この作品の特徴●
「魅力的なキャラクターたち・重厚なストーリーにグイグイひきこまれて、早く続きの巻が読みたくなる」「ストーリーの密度が濃い」「画力が高く、アクションシーンは映画を見てるよう」「黒い剣士ガッツは男でもカッコイイと思ってしまう」

●注意事項●
スプラッター(血とか内臓)的な表現があるため、そういうのがダメな人はパスした方がいいです。
あと一部ですが性的なシーンもあります。

<君はベルセルクを知っているか?>

「今まで読んできた漫画の中でベスト5を挙げるなら?」と言われれば、まっさきにこの作品の名前が思いうかびます。
それほどお気に入りの作品だったりします。

ゲーム雑誌のファミ通に、「君はベルセルクを知っているか?」というタイトルの宣伝広告が掲載され、そこに掲載されていたストーリーの概略がなかなか興味深いものだったため試しに近くの本屋で5巻まで購入したという事が、この作品に出会ったきっかけでした。
(4巻以降からストーリーが加速度的に面白くなっていって、「読み終わったら近くの本屋へ次の巻を買いにいく」→「また読み終わったら次の巻を買いにいく」という事を繰り返し、同じ日に何度も本屋へかけこんだくらいでした。・・・最後はもう残りの巻をまとめ買いしてましたけど。)

物語は本作品の主人公・「黒い剣士」ガッツの登場から始まります。
漆黒の装備に身を固めた彼は、隻眼(片目)、左腕は義手となっており、さらに身の丈ほどもあるような仰々しい大剣をたずさえたいでたちで、登場時から異彩をはなっています。

彼が行くところには「使徒」と呼ばれる人ならざるものがつきまとい、その「使徒」との戦いを余儀なくされます。
満身創痍になりながらも、ひたすら彼が求めるものは「使徒」の殲滅、そして「使徒」達の長たる「ゴッドハンド」と呼ばれる5人との遭遇。
とりわけ「フェムト」と呼ばれるゴッドハンドを憎んでいます。

3巻の後半で時間軸は少しさかのぼり、ガッツのおいたち編が始まります。
生まれた時の境遇や、幼い頃のガッツに起きた事、この作品のもう一人の主人公とも言えるグリフィスや、彼が率いる傭兵集団「鷹の団」との出会い・ガッツの成長などが描かれ、やがて彼らは人の手では決してあらがえない運命に巻き込まれていきます。

4巻あたりから物語は動き出し、巻がすすむほど物語は加速度的に面白くなっていき、目がはなせなくなっていきます。
ストーリーが本当に練りこまれて作られています。

グリフィスや鷹の団のメンバー達はどうなったのか・・・?
そしてガッツは何故「黒い剣士」となってしまったのか・・・?

一部スプラッタ的な要素(血とか内臓とか)があるため、そういうのが完全にダメな人にはおすすめできかねますが、そういうのを気にならない(あるいは我慢できる)という人で、未読の方には是非ともおすすめしたい作品です。

3巻までは正直B級ファンタジー漫画っぽい感じがしますが、3巻の途中でガッツの生い立ちの話が始まり、4巻でグリフィス達が出てきてから、物語が加速度的に面白くなってきます。
(だから最低でも4巻あたりまでは読んで欲しいと思います。)

14巻の途中で話としては一応一区切りがつく(生い立ち編が終わり、また黒い剣士の頃に戻る)ので、1巻から14巻まで一気に購入というのがおすすめの買い方です。

未読の方は是非一度読んでみる事をおすすめします。

この作品は、何度読み返してもしびれます。
重厚なストーリー、実に魅力的なキャラクター達。
毎回新刊の発売日が本当に待ち遠しい作品です。

ベルセルク(23) ベルセルク(24) ベルセルク(29) ベルセルク(28) ベルセルク(22)

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ブログ開始

いろいろ迷った挙句、やっぱりNIFTYでブログを始めようと思いました。

主におすすめの漫画(コミック)やアニメ・ゲーム・映画などの紹介をしていこうかと思います。

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